研究課題
特定領域研究(B)
衝突エネルギー可変な交差分子線装置を新規設計し発注した。装置の機械工作完了は平成15年5月と予想される。分子線は、装置本体に固定された酸素原子線源と、装置の天井に取り付けられた回転フランジから吊り下げられた可動式分子線源の二つがある。酸素原子線は、酸素分子の真空紫外光解離(157nm)を利用し、超音速分子流を2段のスキマーによって切り出す設計である。可動式分子線源は、原子線源に対して交差角35度から180度まで回転し、衝突エネルギーを連続的に変化させる。回転フランジは、ボールベアリングとOリングシールを使って、真空を破らずにかつ簡便に回転できる。反応生成物は、レーザー光を用いた共鳴多光子イオン化で検出する。レーザー光は分子線の交差点に対し、散乱面裏側から鉛直に上方に向かって照射される。分子線交差部で発生した反応生成物イオンは、静電場で加速され、装置の天井部に取り付けられたマイクロチャネルプレートと画像観測器で検出される。このようにレーザー光を照射することで、分子線が造る散乱面(床に平行)内に飛ぶ反応生成物はレーザー光に対して同一のドップラー偏移を示し、レーザー光の波長を固定しても検出効率を最大限に上げることが出来る。
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