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2001 年度 実績報告書

レドックス応答性メタロホストによる動的機能の発現

研究課題

研究課題/領域番号 13128201
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

鍋島 達弥  筑波大学, 化学系, 教授 (80198374)

研究分担者 秋根 茂久  筑波大学, 化学系, 助手 (30323265)
キーワードホスト・ゲスト / 金属錯体 / クラウンエーテル / クリプタンド / イオン認識 / アロステリック効果 / 不斉分子 / 水素結合
研究概要

錯形成による分子構造の変換によって機能の制御ができるシステムの構築を目的に以下の検討を行った。設計・合成したメタロホストは、本研究の課題であるレドックス応答性メタロホストの構築の基礎研究となるものである。
最初の分子はポリエーテルの末端にビピリジンを有するトリポダンドで、Fe(II)と錯形成して擬クリプタンドになることが明らかとなった。この分子はポリエーテル部からなる空孔をもち、ここにセシウムイオンを選択的に取り込むこともわかった。また、対応するRu(II)擬クリプタンドの合成にも成功し、この分子もアルカリ金属イオンを取り込むことが明らかとなった。現在、これらのメタロホストの酸化還元反応に対する反応性について検討中である。
不斉情報の伝達のための分子システムの構築を目指して、光学活性なビナフチル部位と含ビピリジンポリエーテル鎖を二本もつ化合物を合成した。この分子はCu(I)と錯形成し、擬クラウンエーテル型メタロホストを与えた。このホストでは、ビピリジンーCu(I)錯体部が正四面体型となるため、二つのジアステレオマーの混合物となり、その比はほぼ1:1であった。しかし興味深いことに、ナトリウムイオンを添加するとほぼその一方となった。これは擬クラウン環にイオンが取り込まれて、ビナフチル部位の不斉情報がポリエーテル鎖を介して伝わり、Cu(I)錯体部の不斉構造が制御されたことを示している。
三つのsalen部位をもつ三角形の新規ホストを合成し、これがその空孔内に水分子を複数の水素結合によって取り込むことを見いだした。現在、このホストのsalen部位による金属錯体の形成について検討中で、メタロホストへの展開やこれを基本ユニットとした分子集積体の構築についても検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 秋根茂久: "Synthesis and crystal structure of a novel triangular macrocyclic molecule, tris(H_2saloph), and its water complex"Tetrahedron Letters. 42. 8861-8864 (2001)

  • [文献書誌] 鍋島達弥: "Transfer of Chiral Information through Achiral Ion Recognition by a Novel Pseudocrown Ether with a Binaphthyl Moiety"Angewandte Cherie International Edition. 41・3. 481-484 (2002)

  • [文献書誌] 鍋島達弥: "Regulation of Tryptophan Transport via Allosteric Recognition of a Pseudocxown Ether"Tetrahedron Letters. 43. 1457-1459 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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