研究分担者 |
丸山 達生 九州大学, 工学研究院, 助手 (30346811)
久保田 富生子 九州大学, 工学研究院, 助手 (60294899)
神谷 典穂 九州大学, 工学研究院, 助教授 (50302766)
上江洲 一也 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (40253497)
小野 努 九州大学, 工学研究院, 助手 (30304752)
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研究概要 |
本研究の目的は、分子集合系の新しい分子認識素子を構築し、液液界面において高度な分離機能を発現させることである。本研究では、単一の分子自身では認識能力がない分子を,一定の配列で集合させることによって,新たな分子認識能が発現することを見いだした。 まずアミノ酸などの低分子の生体分子に対して,界面分子刷り込み(Imprint)法を適用した。認識対象分子と強く相互作用をする分子を油水界面に配向させることによって,水中の生体分子は,界面で多点相互作用を引き起こす。配列した界面活性剤が存在する有機相を重合し固定化することによって,不斉認識の発現に最適な分子配列を,重合膜表面に特異的に刷り込むことに成功した。 さらに、界面吸着能力の大きい包接化合物カリックスアレーンを用いることによって、水相中のタンパク質を有機相に選択的に移動させる手法を見い出した。タンパク質のモデルとしてチトクロームcを取り上げ、水相から有機相への抽出挙動を詳細に検討した。その結果、移動現象のドライビングフォースは、液液界面における界面活性剤分子とタンパク質表面の静電的な相互作用であることを明らかにした。また、タンパク質と同様にDNAの界面移動も起こることを本研究ではじめて明らかにした。特に、DNAの抽出においては、2本鎖型のカチオン性界面活性剤が有効であった。あわせて、分子認識素子としての逆ミセルのイソオクタン中でのコンピュータシュミュレーションも行い、抽出特性を計算化学の観点からも考察することができた。
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