• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

統計力学的密度汎関数理論に基づく液液界面構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13129206
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

KOVALENKO Andriy F.  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (10332181)

研究分担者 平田 文男  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (90218785)
キーワード液液界面 / 水-アルコール溶液 / RISM / KH理論 / REPLICA-RISM理論 / 多孔質物質 / 気液平衡 / スピノーダル / 吸着
研究概要

本研究は液液界面におけるナノスケールの自己組織化現象を分子レベルで解明するための方法論を積分方程式理論に基づき構築することを目的としている。本年度は次ぎの問題に関する理論の定式化と数値計算を行った。
(1)水-アルコール混合系の溶液構造
(2)多孔性物質中での水およびアルコールの気液平衡
これらの研究の成果はそれぞれ下記のとおりである。
(1)我々(Kovalenko-Hirata)が最近提案した新しいクロージャーを含むRISM積分方程式(RISM/KH理論)に基づき、水-ブタノール混合系の溶液構造を解析した。その結果、ブタノールの濃度が希薄な領域では、水の水素結合ネットワークに組み込まれたブタノール同志がそのブチル基を接触するように溶け込んでいる、すなわち、一種の小さなミセルが出来たような状態であることが分かった。(J.Phys.Chem.B.,106,5042(2002).)
(2)多孔性物質内の気液平衡に関してはこれまで多くの実験的研究が行われており、いくつかの興味深い結論が得られている。それらによると、細孔中では、まず、気液平衡の臨界温度が降下する。さらに、水は気液平衡に対応する1個のスピノーダルを示すのに対して、アルコールは密度が低い領域で2個のスピーノダルを示す。我々はスピングラス分野で開発されたREPLICA理論をRISM/KH理論と組み合わせることにより、多孔性物質中での水およびアルコールの気液平衡の解析を行った。その結果、上に述べた実験結果を定性的に再現すると同時に、アルコールにおける2個のスピノーダルのうちの一つがアルコールの炭素壁面への吸着に対応するものであることを解明した。(J.Theor.Comp.Chem.,1,381(2002).)

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] A.Kovalenko, F.Hirata: "Description of a polar molecular liquid in a disordered microporous material with activating chemical groups by a replica RISM theory"Cond.Mat.Phys. 4. 643-678 (2001)

  • [文献書誌] Kohji Yoshida, Andriy Kovalenko, Toshio Yamaguchi, F.Hirata: "Structure of tert-Butyl Alcohol-Water Mixtures Studied by the RISM Theory"J.Phys.Chem.B. 106. 5042-5049 (2002)

  • [文献書誌] A.Kovalenko, F.Hirata: "Towards a Molecular Theory for the Van Der Waals-Maxwell Description of Fluid Phase Transition"J.Theor.Comp.Chem.. 1. 381-406 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi