研究概要 |
本研究の目的は,データ,知識,および環境などに関する例外性を連鎖的に発見するアクティブマイニング手法を構築し,医学・商業データなどを用いた実験における専門家による評価で有効性を実証することである.さらに例外性発見は,状況変化を検知する有効な手段であるため,本研究でもこの機能を実現することを目的とした. 本年度の目標は,(1)データ,知識,および環境における例外性を連鎖的に発見するスパイラル的例外性発見手法を構築する,(2)発見された例外性からデータ,知識,および環境に関する状況変化を検知する手法を構築する,および(3)既発見ルールに応じて対象データを変更するスパイラル的特異ルール発見手法を構築することである. (1)に関しては,既に発見された例外性を与えられたデータとユーザの評価値に照らしあわせ,新しい例外知識を発見する手法を開発した.提案手法はデータマイニングの標準問題として提供されている髄膜炎データに適用済みである. (2)に関しては,統一的な規準を確立するために,ルール発見の新しい最悪解析を行った.この解析は従来研究と異なり,ルール発見に重要である複数の指標に関する誤差が指定値以内である場合を,指定した確率以上とするために必要な必要例数を与える. (3)に関しては,対象データを変更し,興味深い特異データを抽出することにより,特異ルールを発見する手法を開発した.この手法を抗原抗体反応に関するアミノ酸配列データなどに適用し,提案法の有用性を示した.さらに特異ルールを相関ルールや例外ルールと形式的に比較・分析し,特異指向マイニングの理論的根拠を確立した.
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