研究概要 |
特異ルール発見手法の再評価に関しては,分類ルール発見システムGDT-RSと各属性値のオーダー関係を利用する手法と併用して,インターフェロン投与による治療に関するスパイラル的多面的マイニングを実施した.結果に対して,納得性と新規性などの側面から専門家の評価を受け,提案法の有用性を示した.さらに,特異性指向Webログマイニングによるリンク構造の自動更新にも取り組み,ウェブサービスに関する有用性も示した. スパイラル的例外性発見手法の再評価に関しては主に,医師らが特に興味を示した,プロトタイプライン可視化手法と時系列決定木学習法を洗練し,これらによって慢性肝炎患者データから特定される例外患者および全体的傾向に関する発見知識を検討・再評価した.実験の結果,プロトタイプラインは要約手法,時系列決定木学習法は予測手法として有効であり,両者とも例外性発見手法として有用であることが示せた. 特異ルール発見手法とスパイラル的例外性発見手法の統合に関しては,これまで開発した種々の学習・発見システムを,核システムと柔結合し,例外的患者を除外しながら通常的患者に関する傾向を洗練していく過程を,ユーザである専門家とのやりとりを重視して実現するシステムを構築した.通常的患者に関する傾向は素朴ベイズ,例外的患者に関する症例はインデキシングされた事例集合として表現した.初期的な実験結果は良く,提案法は有望であると認められた.
|