研究概要 |
研究実績は以下のとおり. 1.構造の大きさに線形な処理時間で多頻度連結部分グラフを抽出するアルゴリズムGBIを改良した.分類性能に基づく指標を用いて部分構造を並行して抽出することにより,分類問題により柔軟に対応可能とした. 2.実問題では連結部分グラフパターンを扱えれば解ける問題が多いことを考慮し,グラフ構造データからすべての多頻度誘導部分グラフパターンを高速導出するAGM手法を,すべての多頻度連結部分グラフパターンを高速導出するAcGM手法に拡張した.これにより,実規模の問題にも適用可能となった. 3.対称性と反射律のみを許すラフ集合モデルTRSMを用いて文書を表現し,階層的クラスタリング,非階層的クラスタリングのアルゴリズムを開発した.それを情報検索に適用し良好な結果を得た. 4.規則の帰納学習と相関規則マイニングを結合しクラス分布が非常に偏ったデータに対し,少数クラスを精度よく同定する手法を開発した. 5.規則やデータの階層構造を視覚化し,ユーザがマイニングプロセスに積極的に関与し必要なモデルを選択できるマイニング環境を構築した. 6.経営データを対象に,従来の相関規則を拡張して,複数の時点における複数のブランド間の購買関連性の分析を可能にした.その結果,時系列データとして蓄積されているPOSデータの特徴を活かした,時間の経過にそった状態の遷移を表現することが可能になり,従来,十分に取り扱うことができなかった複雑な社会現象を時系列データとして分析することができる可能性が出てきた.
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