研究課題/領域番号 |
13132201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
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研究分担者 |
野水 基義 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00311522)
坂入 信夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60153863)
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キーワード | 核酸 / 規則的コンポジット / DNA-コラーゲンコンポジット / 紫外線照射 / ゾル-ゲル法 / DNA-シリカコンポジット / DNA-金属コンポジット / DNA-キトサン二層式膜 |
研究概要 |
DNAの構造と機能を保持したまま水不溶性の機能性素材を開発しようという試みの中で、我々のグループは、酸性多糖アルギン酸を用いることにより、DNAを2本鎖構造を保ったまま不溶化でき、DNA-アルギン酸複合体よりなる繊維やフィルムを調製できることを明らかにした。 一方、上記の研究の過程でDNAは代表的な構造タンパク質であるコラーゲンとの規則構造をもつ複合体にもでき、特に医用高分子や光電気化学の分野で極めて有望な複合素材ができることも明らかとなった。 また、紫外線照射により水不溶性のDNAフィルムを簡単に調製できる事、さらにこの方法によりDNAをセルロース不織布、ガラスビーズ等、様々な材料に結合させることができる事などが明らかになった。この紫外線照射により不溶化したDNAは分子間で架橋した興味深い構造をしているが、DNAのB型構造は維持している。これらの紫外線照射による不溶化DNAにはダイオキシン、PCB、ベンツピレン等の平面構造をとる内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)が選択的に吸収される。この現象はDNA塩基対のスタッキングの間に、平面構造をとる芳香族化合物がインターカレートする現象を利用したもので、DNAならではの現象と言える。 このような状況のもと、本研究では上記の成果をさらに発展させ、DNAを含む各種の機能性複合素材を開発し、例えば各種の環境ホルモン類を集積・除去するような素材、さらにはすぐれた光特性、電気特性をもった材料などを開発するための基礎研究として、DNA-コラーゲンコンポジット等各種のDNA含有バイオコンポジットの調製法とDNA構造の関係を明らかにする為の次の研究を推進した。 (1)DNA-コラーゲンフィブリル調製法の検討と構造制御 (2)紫外線照射法によるDNAの構造制御 (3)ゾルーゲル法によるDNA-シリカコンポジット (4)DNA-金属コンポジット (5)体内接着材としてのDNA-キトサン二層式膜 これらの研究により、DNA含有バイオコンポジットの構造制御を自由に行えるようになり優れた機能性素材開発のシーズになるものと思われる。
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