研究分担者 |
森 俊明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (50262308)
川崎 剛美 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60334504)
古澤 宏幸 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60345395)
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (90221762)
金城 正孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70177971)
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研究概要 |
本研究では,DNA-脂質複合体のキャストフィルムやLB膜からDNA二重らせん鎖が一方向に配向した薄膜を電極上に作製し、DNA鎖に沿った電子移動や光誘起電流を実現することを目的として今年度は以下の成果を上げた。 1)ホットプレス法によるフィルムの作製 昨年度までの研究で,DNA-脂質コンプレックスを作製して,有機溶媒に可溶化して,テフロン板上にキャストしてフィルムを作製し,これを水蒸気上で柔らかくして延伸することによりDNA配向化フィルムを得ていた。この方法では膜厚を一定にできない,延伸時にフィルムが変形する,大面積のものができないなどの問題点があった。これらの問題を解決するために、DNA-脂質コンプレックスの粉末を加熱下でプレスしてフィルムを作製し、加熱下でローラーにより配向化フィルムを得る方法に成功した。ホットプレス法でDNA配向化フィルムが作製できれば、大きくて膜厚の均一なフィルムが得られるので、偏光フィルムなどの光学フィルムに利用できる。 2)DNAナノワイヤの作製と電導性 手で持てる大きさのフィルムの作製には成功したので、DNA一分子からなるナノワイヤを配向化させて電導度を測定できるシステムに拡張した。具体的にはガラス基板上に蛍光標識したDNAを引き上げると、DNA一分子の長さに相当する平均10μmの伸びたDNA鎖が基板上に引き上げることができた。この方法をくし形電極に適用し、電極間距離5μmの電極を橋渡しする方向では大きな電導性が観察でき、橋渡ししない方向にDNAナノワイヤを引き上げた時には電導性は観察されなかった。
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