研究課題/領域番号 |
13133201
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安藤 勲 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016637)
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研究分担者 |
柿本 雅明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90152595)
渡辺 順次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
猪股 克弘 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80232578)
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キーワード | 分子キャビティー / スマートメンブレン / 高配向高分子ゲル / 三次元NMR顕微鏡 / 磁場勾配NMR / ポリエステル / ポリイミド / 分子キャビティー設計 |
研究概要 |
スマートメンブレンの優れた物性・機能の発現はメンブレンのキャビティーの形状、サイズ、大きさとともにキャビティー内の相互作用場に密接に関係していることを踏まえて、高機能なメンブレンを設計し創製することとキャビティーの高精度なキャラクタリゼーションを行ってきた。本研究では、このような基礎的な戦略にしたがって高機能なキャビティーを有するスマートメンブレンを創製するとともに高精度なキャラクタリゼーションの方法論の開発とその展開してきた。研究成果は、1)ポリ(γ-ベンジルL-グルタメート)(PBLG)の液晶溶液を調製し、10.5TのNMR磁場中に置くことによりネマチック液晶状態にしてPBLG鎖を配向させた後、エチレンジアミン架橋剤を加えて高配向PBLGゲルを創製したところ、μmスケールのチャンネルが磁場方向に発現したゲルを創製した。発現したチャンネルの構造を開発した三次元高分解能NMR顕微鏡を用いて解析し、中空のチャンネルを有する高配PBLGゲルについてチャンネルキャビティーがロッド状の試料を軸方向に貫通している様子をゲル中の溶媒ジオキサンを3次元高分解能NMR顕微鏡により捉え、ゲルの三次元画像を計測にも成功した。チャンネルが円柱軸に平行に貫くように続いていることが確認された。高機能メンブレンへの大きな展開が期待できる。さらに、架橋剤の濃度を下げて同様な実験をしたところ白色光を入射させると虹色に輝くことを発見しフォトニックス材料などにも展開できるゲルが創製されたことに成功した。2)ハニカム型の直径数nmのチャンネルキャビティーを有する側鎖にアルキル鎖有するポリエステルを創製し、X線回折法及び磁場勾配NMR法を用いて高い精度でチャンネル内部の相互作用場の評価に成功した。これらのゲルは新規なメンブレン材料として期待できることを明らかにした。3)層状構造をとっている長鎖アルキルを側鎖に有するポリイミドから長鎖アルキル側鎖を除去し、分子キャビティーを有する新規なポリイミドを創製に成功した。X線回折により高精度キャラクタリゼーションに成功した。
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