研究概要 |
スパッタリング法を用いて電極/電解質界面へのPt薄膜の導入を行い、アノード過電圧低減におよぼす効果を詳細に検討した。電解質膜への直接のPtスパッタは電池オーム抵抗の増大を引き起こし、有効ではなかった。触媒層表面へのPtスパッタは過電圧の大幅な減少をもたらすことが分かった。これにより電池出力は40%程も向上し、常圧353Kにおいて0.16W/cm^2、363Kでは0.18W/cm^2という高い値を達成できた。本法で添加されたPtの触媒としての利用率が極めて高く、触媒添加法として非常に有効であることが確認された。今後、塗布する触媒量を調整することによって、出力を落とさず触媒量を低減できると考えられる。 気相供給DMFCの電極インピーダンスプロットの形状および周波数特性に及ぼす運転条件の影響を詳細に調へた。メタノール濃度の影響は中間周波数域の円弧に反映され、この円弧が印可電圧依存性と触媒量依存性を示したことから、この円孤が表す素過程はメタノールの電気化学的酸化反応に関係していることが示唆された。液相供給では電流値が液流量と液中のCO_2濃度に影響を受けやすく、液相供給では反応物質および生成物質の電極層中の物質移動抵抗が比較的大きいことが確認された。液相供給ではこの様な物質移動抵抗の増大を引き起こさない電極層構造、液流路構造の設計が重要となることが示唆された。 MPPTFSIを含浸したNafion膜の伝導率を測定した.直流および交流においてもほぼ一致する伝導率が得られ,この膜内におけるプロトンの輸率はほぼ1であること,そしてNafion膜にMPPTFSIを含浸することによって200℃においても高いプロトン伝導を実現できる可能性が示された.また、NASICON型無機プロトン伝導体として(H_3O)_3Zr_<2-x>Al_x(PO_4)_<1+x>(SiO_4)_<2-x>(x=0.1〜0.3)を合成した。x=0.1の粉末試料を100kgfcm^<-2>の加圧下で室温における伝導率を交流インピーダンス法にて測定したところ4×10^<-6>Scm^<-1>であったことから,(H_3O)_3Zr_<2-x>Al_x(PO_4)_<1+x>(SiO_4)_<2-x>においてプロトン伝導が発現している可能性が示唆された.
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