研究課題/領域番号 |
13134201
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中川 紳好 群馬大学, 工学部, 助教授 (70217678)
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研究分担者 |
片山 靖 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (50286639)
福長 博 信州大学, 繊維学部, 助手 (30313844)
中里 勉 群馬大学, 工学部, 助手 (30323330)
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キーワード | DMFC / 燃料電池 / 固体高分子 / メタノール / 電極 / エネルギー変換 / 常温溶融塩 / イオン導電 |
研究概要 |
スパッタリング法を用いて電極/電解質界面へのPt(90at.%)-Ruの二元触媒の添加を行い、FE-SEMを用いての添加触媒の構造観察と触媒添加によるアノード過電圧低減効果を検討した。添加量には最適値が存在し、過剰な添加は活性を低減させた。最適値としてはXPSによる表面濃度で(Pt+Ru)が9%程度であることが分かった。これは触媒層に用いているカーボン微粒子表面を緻密に覆うまでに至らない程度のコーティング構造であった。スパッタリングによる触媒添加において、触媒添加量の制御が重要であることが分かった。本法を用いて活性化したアノード電極を用い、0.22W/cm^2という高い出力密度を得ることができた。 実際のMEAを用い、カソードにおける二酸化炭素濃度の定量とアノードにおけるメタノール濃度の定量により、メタノールクロスオーバー速度と操作条件の関係を詳細に調べた。そして、Nafion112および同117を用いたMEAにおけるメタノールクロスオーバーのフラックスを温度、メタノール濃度、電流を変数として定式化した。メタノール溶液供給速度、酸素供給速度、カソード相対湿度やアノード触媒量が同フラックスにおよぼす影響は小さかった。定式化により、種々の実験条件下における同フラックスを推算可能になり、これによって電池発電効率の評価ができるようになった。 燃料のガス供給、液供給、気液供給の三つの供給条件が発電特性におよぼす影響を調べ、電極反応活性はメタノールおよび水の活量が等しい条件下では供給形態に関わらないことを確認した。一方、ガス供給条件下での膜の乾燥が電池出力低下をもたらし、また供給形態の違いによって電流に固有の振動が現れることを明らかにした。 アノード触媒に8%程度のTiO_2を添加することによって、アノード過電圧を低減できることを明らかにした。 室温溶融塩を含浸して作製した高温型電解質膜の伝導率は、導入した室温溶融塩の導電率の順となり、プロトン輸送は媒体である室温溶融塩の性質を大きく反映していることが分かった。
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