研究課題/領域番号 |
13134203
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
辰巳 敬 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30101108)
|
研究分担者 |
呉 鵬 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60322096)
吉武 英昭 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (20230716)
|
キーワード | MCFシリカ / 構造反転転写 / DMFC / 白金担持触媒 |
研究概要 |
ミセルを型剤にシリコンのアルコキシドを加水分解することにより、メソ細孔性シリカを合成、そのシリカの細孔中にてショ糖を脱水分解し、加熱炭化する方法を採用した。MCFシリカ1gあたり4.61gのショ糖を水溶液として2度に分けて硫酸とともに加え、433Kで乾燥、最後にAr下1173Kに加熱、炭化を終了させた後HFでシリカを除去し、MCF炭素を得る。MCF炭素はMCFシリカのinverse replicaではなく、中空の炭素球の集合体であり、その外径が型剤MCFシリ力の内径にほぼ一致することが明らかになった。壁厚は8±3nmであった。炭素球の内部と外部は空間的に連結していない。(昇温酸化を行ったところCO_2の発生と同時にm/Z=40のピークの立ち上がりが認められた。このことは炭化の段階でArが炭素球殻に内包されたと考えれば説明が可能である。)この場合メソ孔は炭素球問に存在する。興味深いことにショ糖量を少なくした場合、球殻が閉じずMCF炭素には空間的な区切りが存在しない。これら2種の炭素は構造的な差が顕著であるため、前者をMCF-C^・、後者をMCF-C^○と記載することにする。白金の担持は金属塩のincipient wetness法によった。乾燥後、450℃で水素還元した。担持量は等しいのにもかかわらず、粒子径は大きく異なり、前者が0.4nm(EXAFS法による)であるのに対し、後者は15nmである。後者の電子顕微鏡写真を観察すると、白金粒子を囲むような形で炭素の像が輪郭をかたどっている。また白金粒子の大きさはMCF-C^○の大きい細孔径(炭素球殻の内側)と大体一致することから、白金粒子は炭素球殻の内側で成長していると結論される。
|