研究課題/領域番号 |
13134203
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 (2005) 横浜国立大学 (2001-2004) |
研究代表者 |
辰巳 敬 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (30101108)
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研究分担者 |
吉武 英昭 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 助教授 (20230716)
窪田 好浩 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (30283279)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2005
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キーワード | カーボン / メソ構造 / メソ細孔物質 / 炭素化 / 黒鉛化 / 酸素還元 / 白金 / 分散度 |
研究概要 |
各種メソポーラスシリカを鋳型とすることで、様々なメソ構造CMK-1、CMK-3、CMK-5炭素を合成した。ピッチを炭素源として黒鉛構造の発達したメソポーラスカーボンが合成できた。スクロースあるいはフルフリルアルコールを原料にして、MCM-48を型剤に合成した周期構造規則性メソポーラス炭素CMK-1を電極基体とする白金微粒子担持電極を調製した。CMK-1の加熱温度と細孔構造との関係を検討した。CMK-1のメソ構造は900℃で規則性が最も高くなった。1400℃までメソ構造が確認できた。一方、この温度範囲では黒鉛化はほとんど進行せず、細孔体積、メソ細孔径、BET比表面積には顕著な差が見出せなかった。これらの炭素に白金塩の含浸法により金属微粒子を担持したところ、1100℃で処理した炭素が細孔内に最も高分散した触媒を与えた。メソ孔内に2nm以下の白金微粒子が担持できていることが観察され、メソポーラスカーボンのメソ孔が、白金の粒子径を制御する働きがある可能性が示唆される。他の温度処理による炭素では粒子外表面に凝集したり、細孔内外で粒子が成長しているなどの電子顕微鏡像が得られた。これらの違いは表面官能基の種類と密度の違いに起因すると考えるのが妥当である。CMK-1型周期性メソ構造を持ったグラファイト構造の発達した炭素は得られなかったが、白金担持CMK-1の酸素還元活性は活性アセチレン炭素基体の電極のものよりも1桁ほど大きかった。炭素処理温度の比較では、1100℃処理CMK-・1を利用した白金担持電極が酸素還元活性最大を示したが、これは白金の分散度が高いことにより説明される。以上の結果より、炭素の持つ性質として白金原子の利用効率が黒鉛化度より重要になる可能性が高い。利用効率の向上のためには、粒子の高分散化以外に、白金粒子の炭素電極のどこに分布するかをメソレベルで規定することが重要であることが結論された。
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