• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

非可換空間上の場の理論とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 13135202
研究種目

特定領域研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

江沢 潤一  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90133925)

研究分担者 綿村 哲  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00201252)
キーワード非可換幾何学 / 非可換インスタントン / Nahm双対性 / ADHM構成 / 弦理論 / 量子ホール効果 / 位相的ソリトン / スカーミオン
研究概要

江澤は非可換幾何学の物理的検証及び応用として、量子ホール系の位相的励起を解析した。量子ホール系は最低ランダウ準位に束縛された物理現象であり、その結果この系の∬"座標は非可換になり、連続体上の場の理論は存在しない。しかしフォン・ノイマン格子上の格子場理論が構成できる事を論証した。この系の準粒子は非可換幾何学上の位相的ソリトンとなるので興味深い。連続体近似では、一層系ではCP^1スカーミオンに、二層系ではCP^3スカーミオンになる。特に面白いのは、二層量子ホール系の占有率ν=2における位相的ソリトンである。最低ランダウ準位に束縛されているために、二層でスカーミオンが対生成される事を論証した。さて、二層量子ホール系での準粒子励起検証実験は、共同研究者(熊田等)がNTTで製作された試料を用いて行った。私の理論はこの実験結果を見事に説明する。成果は2つの国際会議で発表し、5編の原著論文として国際的著名誌に発表した。
綿村は非可換空間上のゲージ理論の解析を行った。この理論には,可換な場合と同様にさまざまな古典解が存在することが知られている。非可換空間でこれらの解を求めるには代数的手法を使うが、この方法の基礎となっているのがNahm双対性と呼ばれる対称性である。非可換ユークリッド空間のインスタントン解などが、この双対性を使ったADHM構成を適用して構成されている。この時、非可換性のため新しい解が存在するが、そのような解の双対性変換は自明ではない。一方この双対性は、弦理論においてはTarget space双対性として現れる対称性である。弦理論においても非可換空間の現れる状況が知られている。この場合のT.双対性と非可換空間上のゲージ理論でのNahm双対性の関係を解析することによって、非可換インスタントンの双対性変換での性質を解析中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] N.Kumada: "Preferred number of flipped spins in skyrmion excitation"Physica B. 298. 169-172 (2001)

  • [文献書誌] Z.F.Ezawa: "Interlayer exchange interactions, SU(4) soft waves and skyrmions in bi-layer quantum Hall systems"Phys. Rev. B. 65. 075311-075322 (2002)

  • [文献書誌] Z.F.Ezawa: "SU(4) quantum coherence and interlayer tunneling in bilayer quantum Hall systems"Physica E. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] N.Kumada: "Various phase transitions in ν = 2/3 bilayer quantum Hall states"Physica B. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Z.F.Ezawa: "Integer and fractional quantum Hall effects in Bilayer Electron Systems"J. Phys. Chemi. Solids. (印刷中). (2002)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi