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2004 年度 実績報告書

非可換空間上の場の理論とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 13135202
研究機関東北大学

研究代表者

江澤 潤一  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90133925)

研究分担者 綿村 哲  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00201252)
キーワード非可換幾何学 / 非可換インスタントン / Nahm相対性 / ADHM構成 / 弦理論 / 量子ホール効果 / 位相的ソリトン / スカーミオン
研究概要

江澤は前年度に引き続き非可換幾何学の観点から量子ホール系を解析した.量子ホール系は最低ランダウ準位に束縛された電子の作る世界で,この世界の電子のx座標とy座標は交換しない,という著しい特徴を持つ.その結果,電子が内部対称性SU(N)を持つ場合,量子ホール系の対称性はW∞をSU(N)拡大したW∞(N)で与えられる.先ず,占有率がv=2の二層ホール系の基底状態を摂動論的に研究した.この系は破れたSU(4)対称性を持つが,SU(4)対称性極限で,基底状態を厳密に求め,3つの相(spin, canted, ppin)があることを示した.更に,SU(4)の破れの効果を考察した.摂動効果でspin相とcanted相の境界は変化をしないことを,一方,canted相とppin相の境界は大きく変化することを示した.又,従来知られていなかった非可換平面上の位相的性質を解明できる可能性がある.また,研究成果は5編の原著論文として国際的著名誌に発表した.
綿村は非可換空間の曲率を持った空間の新しい例として量子化されたCPnの関数環を取り上げ,その上でのゲージ場の配位の解析を行った.複素射影空間が,その複素構造から得られるポアッソン括弧を使って量子化することができるので,さまざまな形の量子化の方法を比較することと,同時に一方で,非可換球面上のバンドルの構成に使われた手法を一般化することで,より複雑な系への応用が可能になる手法が分かってきた.この結果,非可換CPnにおけるゲージ場の配位のうち,磁気単極子に相当する配位の構成に成功したが,トポロジカルな数を求めようとするときに,量子化したのちのある種の部分空間上の積分を定義,実行する必要がある.特に複素射影空間において,この解析を行い,その一部を解決することができチャーン数を具体的に求めることができた.研究成果は1編の原著論文として国際的著名誌に発表した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Ground-State Structure in υ=2 Bilayer Quantum Hall Systems2005

    • 著者名/発表者名
      Z.F.Ezawa
    • 雑誌名

      Physical Review B 71(印刷中)

  • [雑誌論文] 非可換空間上のゲージ理論2005

    • 著者名/発表者名
      綿村 哲
    • 雑誌名

      数理物理への誘い 5

      ページ: 143-168

  • [雑誌論文] Phase diagrams of υ=2 and υ=2/3 quantum Hall states in bilayer system2004

    • 著者名/発表者名
      N.Kumada
    • 雑誌名

      Physical Review B 69

      ページ: 155319-155328

  • [雑誌論文] Effects of In-plane Magnetic Fields on Spin Transitions in Bilayer Quantum Hall States2004

    • 著者名/発表者名
      N.Kumada
    • 雑誌名

      Physica E 22

      ページ: 36-39

  • [雑誌論文] Simultaneous Excitation of Spins and Pseudospins in the Bilayer υ=1 Quantum Hall State2004

    • 著者名/発表者名
      D.Terasawa
    • 雑誌名

      Physica E 22

      ページ: 52-55

  • [雑誌論文] SU(4) Skyrmions and Activation Energy Anomaly in Bilayer Quantum Hall Systems2004

    • 著者名/発表者名
      Z.F.Ezawa
    • 雑誌名

      Physical Review B 70

      ページ: 125304-125326

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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