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2003 年度 実績報告書

大規模数値シミュレーションによる格子量子色力学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13135204
研究機関筑波大学

研究代表者

岩崎 洋一  筑波大学, 物理学系, 教授 (50027348)

研究分担者 太田 滋生  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50183025)
青木 慎也  筑波大学, 物理学系, 教授 (30192454)
キーワード格子QCD / 数値シミュレーション / 力学的クォーク / ストレンジクォークの寄与 / 改良されたゲージ作用 / 改良係数の非摂動的決定 / ドメインウォール・フェルミオン / 核子の構造関数
研究概要

今年度の研究成果は以下の通りである。
1.動的クォークの効果を取り入れた格子QCDの数値シミュレーション:今まで2つの力学的クォークしか取り入れられていなかったが、自然界に存在する3番目のクォークであるストレンジを取り入れた計算を計画して開始した。はじめに3つの力学的クォークを含んだモンテカルロ計算をするアルゴリズムを開発し、テストした。その結果、ゲージ作用として繰り込み群によって改良された作用を使うと格子間隔依存性を小さくできることがわかった。次にクォーク作用のO(a)改良に必要な係数を数値シミュレーションによって非摂動的に決定した。その作用を使って本格的な計算を行い、ハドロンの質量や崩壊定数、クォーク質量などを計算した。まだ1つの格子間隔での計算であるが、2つの力学的クォークしか取り入れていない場合に比べて、中間子の質量などは実験値とよく一致するという非常に肯定的な結果を得た。これらの結果は2003年につくばで開催された格子理論の国際会議で発表された。現在、論文を準備中である。また、異なった格子間隔での計算も開始している。
2.物理量のクォーク質量依存性に関する研究:計算時間の問題で格子QCDのシミュレーションは本当にクォーク質量よりかなり重いところで計算しなくてはならず、理論の予言値を出すにはそこから外挿する必要がある。外挿にはカイラル摂動論という軽いクォークの有効理論が用いられるが、格子データの振る舞いを再現できないという問題があった。本研究では、格子間隔の寄与を取り入れた新しいカイラル摂動論を定式化した。その結果は格子データをよく再現する。
3.核子の構造の研究:カイラル対称性の良いドメインウォール・フェルミオンを使って、格子QCDのクエンチ近似で核子の軸性電荷や構造関数などを計算した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Aoki et al.: "Lattice QCD on Earth Simulator"Nuclear Physics B. (印刷中).

  • [文献書誌] T.Kaneko, S.Aoki et al.: "Light hadron spectrum in three-flavor QCD with O(a)-improved Wilson quark action"Nuclear Physics B. (印刷中).

  • [文献書誌] S.Aoki: "Chiral perturbation theory with Wilson-type fermions includinga^∧2 effects"Physical Review D. 68. 054508 (2003)

  • [文献書誌] S.Aoki et al.: "Light hadron spectroscopy with two flavors of O(a)-improved dynamical quarks"Physical Review D. 68. 054502 (2003)

  • [文献書誌] S.Sasaki, K.Orginos, S.Ohta, T.Blum: "Nucleon axial charge from quenched lattice QCD with domain wall fermions"Physical Review D. 68. 054509 (2003)

  • [文献書誌] S.Ohta, K.Orginos: "Nucleon axial charge and structure functions with domain wall fermions"Nuclear Physics B. (印刷中).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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