研究課題/領域番号 |
13135205
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米谷 民明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10091521)
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研究分担者 |
橋本 幸士 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80345074)
加藤 光裕 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80185876)
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キーワード | 超弦理論 / M理論 / 量子重力 / 超対称性 / 行列理論 / 非可換場の理論 / 超重力理論 / 統一理論 |
研究概要 |
1 超膜理論と行列弦理論(分担:米谷):前年度の行列弦理論と超膜理論の関係に関する結果にもとづき、M理論の11次元時空の対称性についての考察を進めた。M理論のコンパクト化(半径=R)された方向へのinfinite momentum frame(IMF)で定義される行列理論と、超膜自体を11弦方向に巻きつけて、それに直交する方向に関するIMFでの記述に対応する行列弦理論は、R→∞の極限では同等な理論を与えることを示した。2 PP-wave極限におけるholographic principle(分担:米谷):AdS/CFT対応の特別な極限としてのPP-wave limitでのholographic principleの解釈について明確な理解がされていない。そこで、AdS/CFT対応が、半古典的な描像ではトンネリング現象であるという新しい観点を指摘し、PP-wave limitでのholographic principleに対して明確な定式化を与え弦場理論の構造について予言を与えた。3 格子上の超対称ゲージ理論(分担:加藤):超対称性を持つゲージ理論のにおいて具体的な物理量の計算や超対称性自体の破れなどの非摂動的な問題を調べるため格子上での定式化が昔から試みられてきたがこれまで成功していなかった。前年度、この問題に対し新しいアプローチにより超対称性の元になるフェルミ的対称性を見いだした。今年度は、ゲージ場のみの場合の相構造やフェルミオンに対するマヨラナ条件と格子構造の関係等を明らかにした。4 超弦理論におけるタキオン凝縮(分担:橋本)橋本は、超弦理論における開弦のタキオン凝縮について研究を進めた。特にその時間依存性を見ることによって、超弦理論の非摂動的物体であるDブレーンがどのように崩壊するかを具体的に調べた。崩壊によってブレーン上の自由度がどのように伝播しなくなるかが明らかになった他、spacelikeブレーンと呼ばれる新しい種類のブレーンがこの崩壊過程を記述するのに役に立っていることを示した。
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