研究分担者 |
糸山 浩司 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30243158)
橋本 幸士 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (80345074)
加藤 光裕 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80185876)
小竹 悟 信州大学, 理学部, 助教授 (40252051)
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研究概要 |
1 PP-wave極限におけるholographic principle(米谷):前年度提唱したAdS/CFT対応の特別な極限としてのPP-wave limitでのholographic principleの解釈を一般のDpブレーンの場合まで拡張し,p=1〜4,すなわち超対称Yang-Mills理論で言えば0+1次元から0+4次元の場合において強結合の領域における2点相関関数を初めて与えた.この結果は,低次元(p=0〜2)および繰り込み不可能(p=4)の双方の場合においてYang-Mills理論の大N極限を記述する非自明な繰り込み群固定点の存在を示唆している.平成16年夏に京都で開催された国際会議Strings 2003の招待講演として発表された.2 格子上の超対称ゲージ理論(加藤):超対称格子ゲージ理論の構成についての研究を引き続きおこなった。市松格子上のゲージ理論の相構造を解析的および数値的に調べ、通常格子との関係やユニバーサリティクラスについて明らかにした。また、格子上のフェルミ的対称性と連続の超対称性の関係について考察し、2次元のN=2超対称性との関係などについての理解を深めた。3 超弦理論におけるタキオン凝縮(橋本):超弦理論における交差するブレーンが組替機構を低エネルギー有効理論の立場から明らかにした。これはブレーンの消滅に関するSenの予想を特定の場合に証明したことになる。この研究について、弦理論の唯一の大規模国際会議であるStrings2003招待講演を行なった。4 Seiberg-Witten理論とループ方程式(糸山):gluino凝縮ポテンシヤルについての考察を進め,Cachazo-Douglas-Seiberg-Wittenで得られている3つのloop equationsを全て導出するsupereigen-value modelを提唱した。さらにWhitham deformationと呼ばれるprepotential Fの変形理論においてsuperpotentialに関してSeiberg-Witten curveがfactorizeした式が得られるための条件を解明した。5 Calogero-Moser模型の構造(小竹):Calogero-Moser(CS)模型は古典論・量子論共に興味深い性質を持った模型であるが,そのうち運動項を双曲線関数としたRuijsenaars-Schneider(RS)模型について考察し,RS模型の古典平衡点からHermite, Laguerre, Jacobi多項式などの変形版を構成した。近いうちに論文として発表する予定である。
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