研究課題/領域番号 |
13135209
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
五十嵐 尤二 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (50151262)
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研究分担者 |
宗 博人 新潟大学, 理学部, 助教授 (20196992)
伊藤 克美 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (50242392)
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キーワード | 場の理論 / くりこみ群 / ゲージ対称性 / 反場形式 / マスター方程式 |
研究概要 |
今年度の研究計画の主要目的は、くりこみ群の流れの上で実現される対称性の一般的な定式化を与えることであった。この定式化には、BV形式が有効であると考えられた。実際、この枠組みでの研究を進めることによって、対称性を特徴づけるキーコンセプトが「量子論的マスター方程式(QME)」であり、UV領域でのQMEとIR領域での有効理論におけるQMEとの関係を見いだすことができた。これらの定式化の成功は、本研究課題の今後の遂行にとって重要な成果となるものであり、論文としてまとめた(論文1)。 特に、応用上重要なゲージ(BRS)対称性については、我々の定式化の妥当性を確かめる意味もあって、まず摂動論解析を実行した。具体的には、パウリーヴィラス正則化をもちいて、与えられたゲージ理論のQMEの解法を与え、純ヤンーミルズ系に適応し、QMEの摂動論的解を構成した。これらの成果は、論文2として発表した。さらに、研究計画で記載した課題「相互作用のある系でのカイラル対称性とその自発的破れの機構の研究」についても、非摂動論的なマスター方程式を導出し、解の構成に関する簡単な方法を見いだすことができた。また、SU(2)などの大局的対称性への適用でも成果を上げることができ、これらを論文3にまとめた。 なお、今年度は、主に連続理論での研究実績をあげるために、ドイツ、オランダなどの研究グループとの研究打ち合わせを、また、格子理論の分野でギリシャのグループとの研究打ち合わせを実施した。また、国内の研究集会で、研究成果の発表につとめた。
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