• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

場の理論におけるWILSONくりこみ群と対称性の実現

研究課題

研究課題/領域番号 13135209
研究機関新潟大学

研究代表者

五十嵐 尤二  新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (50151262)

研究分担者 宗 博人  新潟大学, 理学部, 助教授 (20196992)
伊藤 克美  新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (50242392)
キーワード場の理論 / くりこみ群 / 格子理論 / カイラル対称性 / マスター方程式
研究概要

1)平成14年度の研究計画の主要目的は、格子上で定義された場の理論における対称性の問題にとりくむことであった。格子理論は、QCDなどの非摂動論的研究や数値シミュレーションによる解析にとって重要な位置を占める正則化理論の一つであり、この理論における対称性の実現は、本研究と密接に関連するテーマである。
2)我々が研究対象としたのは、自己相互作用するフェルミオン系でのカイラル対称性である。従来格子理論では、カイラルの実現は原理的に困難があるとみなされていたが、この数年、正則化を指定する格子間隔に依存した、新しい対称性の記述方法の発見によって、長年の困難が克服できることが明らかに成りつつあった。
3)我々は、昨年来開発してきた、反場形式に基づく「正則化に依存する対称性の一般的定式化」をこの問題に適用し、(1)対称性を定義するkey relationとして注目されてきたGinsparg-Wilson関係式が、マスター方程式そのものであること。(2)フェルミオンの自己相互作用系でのマスター方程式を求め、その厳密解を構成した。これは、相互作用系でのカイラル対称性を定式化できる非自明な具体例を提供するものである。
4)これらの成果は、論文として発表するとともに、京都大学基礎物理学研究所研究会「場の理論2002」(2002年7月)、「場の量子論の基礎的諸問題と応用」(2002年12月)で報告した。また、MITでの国際会議「Lattice 2002」で成果を発表するとともに、Braun大学、Bonn大学、Mainz大学を訪問し、研究打ち合わせを行った。
今年度は、また研究支援者1名を雇い、研究計画の効果的な遂行に留意した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yuji Igarashi, Hiroto So, Naoya Ukita: "Ginsparg-Wilson relation and Lattice chiral symmetry in fermionic interacting theories"Physics Letters. B535. 363-370 (2002)

  • [文献書誌] Yuji Igarashi, Hiroto So, Naoya Ukita: "Lattice chiral symmetry in fermionic interacting theories and the antifield formalism"Nuclear Physics. B640. 95-118 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi