研究課題/領域番号 |
13135212
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上原 正三 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20168652)
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研究分担者 |
粟田 英資 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (40314059)
河合 俊哉 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (20293970)
青山 昭五 静岡大学, 理学部, 教授 (10273161)
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キーワード | string theory / M理論 / Hirzebrush曲面 / 保型関数 / Calabi-Yau / Kahler manifold / 量子変形 / 行列モデル |
研究概要 |
本年度は次のような研究をおこなった。 行列モデルにおいて、SU(N)→∞によるPoisson bracketの実現が随伴表現では可能であることを具体的に示し、基本表現の場合にもN→∞が取り得る基底表現を与えた。 超面が一次元コンパクト化した空間へ巻き付いたモードは、コンパクト空間の半径が小さければ素朴には超弦と見做せる。実際このことは古典的には示されている。そこで量子論的に記述できるかどうか摂動の範囲で調べ、1次まではよいが2次では発散項がキャンセルしないことを具体的に示した。 Feddsovの方法を用いて最も一般的なKahler商空間の量子変形を行ない、そこでの非可換代数構造の研究をした。この研究の応用として、球面S^4の調和関数系の量子変形を通して非可換球面S^4の解析を行なった。主眼点は、Kahler構造をもたないS^4の量子変形を、Kahler商空SO(5)/U(2)に埋め込むことによって可能にしたことにある。また、この議論は偶数次元球面に一般化できることを示した 6次元E-弦の解析に基づき、自己同型を持つK3曲面に付随した保型関数の構成を行うための表現論的基礎付けを行った。 切断を有しHirzebruch曲面を底空間とする3次元楕円Calabi-Yau多様体にコンパクト化したF理論はE_8×E_8混成弦をK3曲面にその上の安定正則ベクトル束のデータを指定することによりコンパクト化した理論と双対であることが以前より予想されているが難解なため、いろいろな角度からの考察を行う必要がある。そこでこの予想を不変式論の立場から見ることにより新たな知見を得ることができた。
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