研究課題/領域番号 |
13135218
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
表 實 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (00110510)
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研究分担者 |
肥川 隆夫 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (90245358)
岩崎 愛一 二松学舎大学, 国際政治経済学部, 教授 (90203356)
青木 健一郎 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00251603)
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キーワード | 宇宙物理 / 計算物理 / 数理物理 / 素粒子論 / 理論天文学 |
研究概要 |
宇宙に存在するダークマターの起源を調べるには、初期宇宙における素粒子反応についての考察が必要となるが、そのためには有限温度での非平衡現象を取り扱うことになる。その理論的準備として、本研究では古典的(非量子論的)φ^4理論とEPU模型の非平衡現象を第一原理から取扱い、それらの比熱・音速・熱伝導度等を求め、さらに局所平衡の破れ・線形応答の破れ等について定量的に議論した。また、2次元4体フェルミ理論をモデルにとって束縛状態(メソン)の質量差を定量的に求め、その構造の理解のためにmeson mass susceptibilityという新しい物理量を導入した。 ダークマターの候補と考えられているアクシオン観測問題として、アクシオンが作るボソン星と中性子星の衝突によるガンマー線放出を議論し、これがガンマー線バーストの起源の候補となりうることを示し、ガンマー線バーストの構造を詳しく分析することによってアクシオン存在の可否を調べられる可能性があることを明らかにした。 重力量子化の問題を新しい観点から考察するために、モヤル量子化法について調べた。その結果、調和振動子系をモヤル量子化した場合2種類の真空が存在する可能性を発見した。また戸田格子系をモヤル量子化したときには、固有値方程式の虚数部分がこの系の保存量を与えることを示した。 宇宙に存在するダークマターの量を測定するために、銀河等の天体が背景銀河からの光に及ぼす重力レンズ効果の影響を、モデル宇宙を用いて定量的に調べた。この研究によって宇宙における重力レンズ効果の影響の様子が解明され、実際の宇宙に存在するダークマター量を観測データから求められることが期待される。これは次年度に向けて研究が継続中である。
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