研究概要 |
青木は、E. D'Hoker, D.P. Phongとともに、非対称オービフォルド真空で超弦理論の2次までの摂動論の結果を具体的に求め、宇宙項がゼロで無いことを示し、さらにその物理的な性質を調べた.また,初期宇宙ではどのような状況で局所平衡が成り立つかが重要になるが, D. Kusnezovとともに、どのような状況で局所平衡が成り立つのかを第一原理よりΦ4乗理論で調べた. 岩崎は、アクシオン星と中性子星の衝突が、観測されているガンマー線バーストや、超高エネルギー宇宙線の発生源でありうることを指摘した。その中性子星コアー内部の状態は、核子ではなくカラー強磁性と呼ばれるクォーク物質状態で、SU(3)ゲージ対称性が破れたものになっている。カラー強磁性状態では、カラー磁場は自然発生し、それに巻きつくグルーオンは量子ホール状態を作ることで安定化していることも明らかにした。 肥川は、モヤル積を使った可積分系について、非可換ゼロ曲率方程式からソリトンを導き、系列のソリトンが無限個存在することを示した。また、モヤル量子化法での基本になる真空状態を明確化し、拘束がある場合の量子化の問題点も明らかにした。さらに、5次元重力の厳密解に関して逆散乱法を用いて、ワイル解が無限個の解を持つこと、および電場が存在する場合の定常解の場合に関しても無限個の解を持つことを示し、その具体的な標識を求めた。 表は、吉田と中村とともに、多重重力レンズ効果が連続極限で幾何光学の方程式に帰着すること、また亀淵とともに、量子化された相対論的な場の理論における場を対角化する表示を求めた。
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