領域代表者の安江は、SO(N_c)群に基づく強結合理論で、フレーバーSU(N_f)対称性の自発的破れを無矛盾に記述する有効超ポテンシャルの構築し、N_f≧N_c-2の場合を統合的に調べ、ホロモロフィー性、アノーマリーの一致・インスタントン効果の再現、を示した。つまり、広く知られているフレーバーSU(N_f)対称性及の磁気自由度による記述に対して、電気的自由度による記述を定式化した。インスタントン効果に着目した対称性の自発的破れと南部・ゴールドストーン場による構成が特徴である。更に、強結合理論のフレーバー物理への具体的な応用に備え、新たなフレーバー対称性発現の可能性として、ニュートリノにおけμ-τ対称性に着目し、CP対称性の破れとμ-τ対称性の破れの連携を詳細に調べた。 日置は、非摂動効果の高エネルギー加速器実験における現象論的な検証のための解析方法を整備し、1.陽電子+電子→反トップ+トップ→レプトン+X反応において、終状態レプトン角分布を調べ、角分布がtbW結合にはほとんど依存しないことを見出した。2.非摂動効果が更によく現れる光子光子衝突でのトップ・反トップ生成崩壊過程に関する詳細な解析を行ないトップおよびヒッグスの非標準相互作用の特徴を明らかにした。3.μ^+μ^-コライダーに着目し、トップ相互作用の非標準相互作用でCP対称性の破れがある場合には、縦偏極ビームを用いた非対称性の測定が有効であることが明らかにした。
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