研究分担者 |
中村 博樹 早稲田大学, 理工学部, 助手 (40350483)
山中 由也 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10174757)
中里 弘道 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00180266)
森田 健司 早稲田大学, 理工学部, 助手 (50339719)
湯浅 一哉 早稲田大学, 理工学部, 助手 (90339721)
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研究概要 |
本研究課題は,より現実的設定に即した有限時空領域での場の理論の構築を目指すものであるが,様々な具体的局面での考察を通じてこの課題に取り組んでいる.本年度の研究成果は,以下の通りである. 1.現在盛んに実験が行われている中性原子気体Bose-Einstein凝縮系は有限時空領域に閉じ込められ,並進対称性が破れていることを考慮して,励起状態の自己エネルギー項の繰り込みを行う上で,運動量表示を用いない繰り込み条件を提案した.一部国内学会にて発表. 2.並進対称性が破れたBose-Einstein凝縮系においてGoldstoneモードを扱う二つの方法の間の関係を明らかにし,それぞれが凝縮体の記述に及ぼす影響を評価した.一部論文発表済み,一部投稿中. 3.量子系の一部に観測を繰り返すことで残りの系に純粋状態を準備する手法の量子情報分野への応用を議論し,特に,その手法でエンタングルメント抽出や量子ビットの初期化が可能であることを明らかにした.一部国内・国際学会にて発表,論文掲載決定,一部投稿中. 4.3.の状態純化の手法の実験的実現を念頭に,現実には避けがたい様々な非理想的要素に対する安定性を明らかにした.一部学会発表予定. 5.オーストラリアのKaneのグループが提案した半導体量子コンピュータの実現を目指した系の時間発展を詳細に議論し,その系でユニバーサルな量子ゲートを実現する手順を提案した.一部学会発表予定. 6.RHICにおける高エネルギー重イオン衝突実験によって有限時空領域に生成されたハドロン物質の大きさをHBT効果によって評価した.特に不透明粒子源の効果を詳細に解析した.論文発表済み. 7.さらに,2体のみならず3体の相関に着目し,それらを組み合わせることによってハドロン物質の熱平衡達成度を評価した.学会にて発表,論文投稿中.
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