研究分担者 |
中里 弘道 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00180266)
山中 由也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10174757)
宮本 学 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (80386622)
奥村 雅彦 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (20386600)
太田 幸宏 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (60386597)
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研究概要 |
本年度の研究成果は,以下の通りである。 1.1次元qubit鎖系で,ひとつのqubitを媒介qubitとして他のqubitと順次相互作用させることで,全体系に多体の量子エンタングルメント状態が形成できることを,SQUID系を現実的な物理系と想定して示した。国際学術誌に公表。 2.Lindblad型のマスター方程式の解をKraus表示と呼ばれる演算子の形で得る新しい手法を考案し,簡単な離散量子系を例にとり解を具体的に示した。学会講演,国際学術誌に公表。 3.2つのqubitによる媒介qubitの散乱現象を解析し,散乱現象によって2qubit間に量子エンタングルメントが形成できること,エンタングルメントの度合いが共鳴散乱によって高められることを明らかにした。学会講演,国際学術誌に公表。 4.対象量子系と環境系とが相関をもった状態から出発した場合,前者に対してマスター方程式がどのように導出できるかを明らかにした。国際学術誌に公表。 5.有限領域内のBose-Einstein凝縮において,凝縮体のまわりのゆらぎを記述する方程式に複素固有値が現れる場合に関して,場の正準交換関係を保つ理論的枠組みを構築した.さらに,複素固有モードの状態空間についても議論した。国内研究会講演,国際学術誌に公表。 6.不安定量子系について,特にゼロエネルギー共鳴が存在する状況で長時間挙動を厳密に解析した。国内・国際学会講演および国際学術誌に公表。 7.量子写像系でCheonが考案したアンホロノミーが実現できることを示し,また量子断熱計算への応用を考案した。国内学会講演に公表。論文投稿中。 8.液体状態NMR量子計算機について,化学シフト存在下という実験状況を踏まえたモデルで,量子ゲートによるエンタングルメント生成を評価した。国内・国際学会講演に公表。論文投稿中。
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