研究課題/領域番号 |
13135223
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
郷六 一生 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (20104812)
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研究分担者 |
多田 司 理化学研究所, 理論物理学研究室, 副主任研究員 (10322603)
早川 雅司 理化学研究所, 理論物理学研究室, 先任研究員 (20270556)
菅本 晶夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70132686)
瀬尾 幸市 岐阜市立女子短期大学, 国際文化学科, 教授 (40171318)
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キーワード | 超弦理論 / 多次元 / 行列 / ブレイン / 摂動計算 |
研究概要 |
1.超弦理論から4次元のゲージ理論特に量子色力学の非摂動的な領域での現象を理解する簡明な模型を設定して、カイラル対称性の自発的な破れ、カレント代数で導出されたGellmann-Oakes-Renner関係式、軽い中間子の質量などを計算により示して、現実との良い一致を見た。さらに、この模型を有限温度へ拡張しクオークの閉じ込め、非閉じ込め転移点近傍での中間子の質量やパイ中間子の速度の温度依存性などを計算して、RICHの実験との望ましい対応を見た。(郷六) 2.本課題の研究テーマに広く応用が期待できる基礎的研究として、行列を用いて曲がった空間を記述する手法の確立を試みた。非可換幾何学と行列の対応関係を用いて、高次元空間に埋め込んで空間の曲がりを表現する方法について調べるとともに、最近川合らによって導かれた行列を微分作用素として捉え、空間の曲がりを行列に含める方法についても検討した。(多田) 3.電磁相互作用の素粒子素過程レベルでの強さは、微細構造定数(α)で与えられる。我々は、現在より高い精度でその測定が進められている電子の異常磁気モーメントを利用し、史上最高精度のαの値を決定するために必要な理論計算を開始した。この目的で要求される膨大な計算処理のアルゴリズムを開発し、プログラムとして実装することより、QEDの高次摂動計算に最も有効な方法を提案した。(早川) 4.カラーD4ブレーンとフレーバーD6ブレーンを用いたQCD的な弦理論において、質量の異なるクォーク(フレーバー)からなるメソンのひもの形状と、異なる質量をもつクオーク(フレーバー)間のポテンシャルを調べた。2つの異なるフレーバーブレーンをつなぐメソン場合には、ひもの形状が変化する距離が存在し、その距離でポテンシャルが変曲点をもつことを示した。このことは重いフレーバーをもつ核物質の密度が大きくなることと関係しているかもしれない。(菅本)
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