研究課題/領域番号 |
13136201
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
|
研究分担者 |
大塚 雄一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (40314025)
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80226092)
|
キーワード | 中間圏 / 熱圏 / 電離圏 / プラズマバブル / 伝搬性電離圏擾乱 / 電離圏不規則構造 / 大気光 / GPS |
研究概要 |
1.平成14年7月にコトタバンの赤道レーダーサイトに光学観測用の小屋を建てた。同10月にこの小屋の中に、平成13年度予算で購入・作成した全天大気光カメラを設置し、夜間大気光の観測を開始した。データはネットワークを介して、1-2日遅れで名古屋大学まで転送され、quick-lookのプロットはホームページで公開されている(http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/omti)) 2.平成14年10月に、平成13年度予算で購入した2周波GPS受信器を、赤道レーダーサイトから約100km南に離れたパダンのアンダラス大学構内に設置し、電離層電子密度変動の観測を開始した。 3.平成13年度予算で購入した3台の1周波GPS受信器を用いて、電離層不規則構造のドリフト速度を計測するシステムを開発し、平成14年8月に鹿児島でテスト観測を行った。このテスト観測により、大気光カメラで観測されたプラズマバブル中のプラズマが、バブルの移動速度とほぼ同じ速度でドリフトしている様子が観測された。 4.平成15年1月に、コトタバンの赤道レーダーサイトに上記の3台の1周波GPS受信器を設置し、赤道域でのプラズマドリフトの観測を開始した。 5.同じく平成15年1月に、コトタバンの赤道レーダーサイトにフラックスゲート磁力計を設置し、赤道電離圏擾乱に伴う磁場擾乱の観測を開始した。 6.空冷型冷却CCDカメラ4台を設備備品費で購入し、新たに全天カメラ2式、分光温度計2式の光学系を製作を開始した。予算の制約上、フィルター部分は来年度に購入することになった。 7.平成14年8月に、鹿児島県佐多岬とオーストラリア・ダーウィンの大気光カメラにより、中規模伝搬性電離圏擾乱(MSTID)を同時観測することに成功した。これにより、MSTIDに伴う大気光変動の構造が南北対称であることを初めて示した。この結果は、夜間に発生するMSTIDの成因が分極電場であることを示す重要な成果である。
|