研究課題
インドネシアの2点(西カリマンタンのポンチアナ、西ジャワのパムンプク)に中波帯(MF)レーダーを、また赤道大気レーダー(EAR)観測所(西スマトラのコトタバン)に流星レーダーを設置し、高度80-110kmの中間圏・熱圏下部(MLT)領域の水平風速を連続測定するMLTレーダーネットワークを構築した。EAR観測所を中心に2005年11月24日より12月23日まで第2回CPEAキャンペーンを実施し、X帯レーダー2台、ラジオゾンデ等も併用して積雲対流による大気波動の励起・伝播過程を総合観測した。特に、A04班はA03班と共同でラジオゾンデ集中観測を担当した。6時間毎に1日4回の放球を30日間継続することを基本とし、さらに1時間毎に7-32回(19,25回連続が標準)放球する強化観測を、およそ3日おきに9回行った。現地観測と平行してデータ解析を進めた。特に、2004年4-5月に実施した第1回CPEAキャンペーンの結果を用いて、赤道域の対流圏から成層圏さらにMLT領域に至る広い高度層における種々の大気波動の特性を解析した。EAR観測による風速3成分に加えてRASSによる気温・湿度の連続観測結果を用いて、熱帯対流圏での積雲対流に伴う大気擾乱の特性を調べ、さらに積雲対流で励起される短周期の大気重力波による運動量上方輸送を定量化した。一方、インド洋からインドネシアに東進する積雲クラスターが、成層圏に現れる周期2-3日の慣性重力波の励起に関与していることを明らかにした。また、成層圏からMLT領域に現れる周期7-12日の大気波動の特性を、ラジオゾンデ、CHAMP衛星のGPS掩蔽、TIMED衛星のSABERデータ等を用いて解析した。ケルビン波が対流圏界面の温度構造を大きく変動させていること、周期約7日で東進/西進する波動がともに積雲対流に起源を持つことを示した。
すべて 2005
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