研究課題/領域番号 |
13137205
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
光岡 薫 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60301230)
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研究分担者 |
木寺 詔紀 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (00186280)
藤吉 好則 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80142298)
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キーワード | アクアポーリン / 電子線結晶解析 / 大量発現 / 水チャネル / シミュレーション / 画像解析 / 膜蛋白質 / 二次元結晶 |
研究概要 |
我々は以前、ヒトの赤血球に豊富に存在する水のみを選択的に通す水チャネルであるアクアポーリン1(AQP1)の立体構造を、二次元結晶から電子線結晶解析を用いて得、その原子モデルを報告した。しかし、AQP1と相同性を持つAQPファミリーといわれる膜蛋白質の一群は、バクテリアから植物、動物まで多くの生物に存在し、現在までに数十種類以上の蛋白質が知られている。そこで、その水透過の効率や選択性の違いを分子レベルで理解することを目的に、AQP1と異なるAQPの構造を得、シミュレーション等により構造と機能を結びつけるようと実験を行っている。 以上の目的を達成するため、今年度はAQP1と異なりグリセロールも透過するAQP3と、AQP1より水透過の効率が良いと考えられているAQP4を、Sf9細胞を用いて大量発現することを試みた。AQP3,AQP4ともに精製のためにHisタグを持った蛋白質を設計し、ニッケルレジンを用いて精製した。これにより、ともに数リットルの浮遊培養細胞液から数mgの精製標品が得られることを確認した。現在、その精製蛋白質を用いて二次元結晶化を試みている。 また二次元結晶ができた際に、X線結晶解析と競争できる速度で構造決定するために、電子顕微鏡像解析のためのワークステーションを新たに導入し、計算時間短縮のために解析プログラムの最適化を行い、以前と比較して倍以上のスピードで解析できるようになった。
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