研究課題/領域番号 |
13137207
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
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研究分担者 |
袁 振芳 徳島大学, 歯学部, 助手 (80346600)
郭 哲輝 大阪大学, 大学院・医学研究科情報薬理学, 助教授 (50126570)
飯田 博一 徳島大学, 歯学部, 助手 (10335797)
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キーワード | 水チャネル / アクアポリン / 唾液腺 / 口腔乾燥症 / ムスカリン受容体 / 糖尿病 / 導管 / 免疫染色 |
研究概要 |
耳下腺に局在するAQP5は、M3-ムスカリン受容体の刺激によりラフトから管腔膜へ移動することを細胞分画法及び共焦点顕微鏡法から示すとともに、今回は、加齢とStreptozotocin誘発性糖尿病における口腔乾燥症の発症機序を追究した。1)アセチルコリン刺激による成熟ラット耳下腺の管腔膜におけるAQP5の増量は3.6倍であったのに対し、老齢ラットのそれは1.8倍であった。2)エピネフリン刺激では成熟ラットで2.3倍、老齢ラットでは1.8倍の増量が認められた。3)基底側膜におけるGq蛋白質の量は、成熟と老齢ラットの間で全く差が認められず、M3-ムスカリン受容体の量は老齢ラットで成熟ラットの0.9倍に低下していた。4)SNI-2011刺激による管腔膜でのAQP5の増量は、老齢ラットで成熟ラットほどの増量は認められなかったが、老齢ラットでも成熟ラットと同様に持続的な増量が認められた。5)成熟ラットの耳下腺では、SNI-2011刺激によりTriton X-100不溶性画分のAQP5が無刺激の0.35倍にまで減量し、反対に可溶性画分で増量した。老齢ラットでは、無刺激の耳下腺でTriton X-100不溶性画分のAQP5の量が成熟ラットのそれより2倍に増量されていたにも拘わらず、SNI-2011刺激によりTriton X-100不溶性画分から可溶性画分への移動は低下していた。6)糖尿病ラットの耳下腺のTrizol抽出液中のAQP5 mRNAは,対照群に比し有意に上昇していたが、耳下腺ホモジネートをSDS-PAGEに供し抗AQP5抗体を用いてWestern blottingしたところ、糖尿病群で対照群に比し低下傾向が認められた。7)耳下腺切片を10^<-5>M SNI-2011と反応後の管腔膜におけるAQP5量は対照群では約3倍の上昇が認められたが、糖尿病群ではほとんど上昇が認められなかった。8)Triton X-100不溶性画分のAQP5量は、糖尿病群で対照群に比し有意に低下していた。9)[^3H]QNBによる結合実験及び抗M3ムスカリン受容体抗体を用いたWestern blottingにより基底側膜における受容体数は糖尿病群にて対照群の0.4倍にまで減少していた。10)糖尿病ラット耳下腺では対照群とは異なり基底側膜でもAQP5が認められた。
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