研究課題/領域番号 |
13137210
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
坪田 一男 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40163878)
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研究分担者 |
石田 成弘 参天製薬株式会社, 研究開発本部, 主任研究員
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キーワード | アクアポリン5 / シェーグレン症候群 / ドライアイ / 膜輸送機構 / 細胞膜固定 / C末結合タンパク質 / 涙腺 / 唾液腺 |
研究概要 |
1.シェーグレン症候群モデルマウスを用いた涙腺組織中アクアポリン5C末結合タンパク質の解析 我々は、アクアポリン5(AQP5)の細胞内分布あるいは機能異常は、AQP5に結合するタンパク質の異常によるものではないかと推測した。そこで、シェーグレン症候群動物モデルとして用いられる雄NOD/Shi Jicマウスの涙腺組織を使って、AQP5C末結合タンパク質の比較検討を行った。方法として、8週齢の雄NOD/Shi Jicマウス25匹分から涙腺組織を採取し、ホモジネートした。また、正常涙腺組織として雄Jcl : ICRマウスを用いた。合成AQP5C末ペプチドを結合させたアフィニティーカラムを作製し、このカラムに涙腺ホモジネート溶液を流した。合成AQP5C末ペプチドをさらに流すことによって溶出させたタンパク質は、SDS-PAGEを行い、銀染色法により染色した。その結果、両者では、59k Daから92k Daにおいて共通のタンパク質が認められた。さらに、雄Jcl : ICRマウスでは17k Daが、雄NOD/Shi Jicマウスでは21k Daと両者間で相違のあるタンパク質が認められた。このことより、正常では17kDaのタンパク質がAQP5の膜安定化に関与し、また、シェーグレン症候群では、21k Daのタンパク質がAQP5と結合する結果、細胞膜への固定異常を起こし、水分泌障害をもたらしているのではないかと推察された。 2.ヒト唾液腺組織中アクアポリン5C末結合タンパク質の解析 上記1.と同様の実験を行った結果、非シェーグレン症候群では、67k Da付近と57k Daのバンドが確認された。シェーグレン症候群では、さらに17k Daのバンドも認められた。
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