研究課題/領域番号 |
13137210
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
坪田 一男 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (40163878)
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研究分担者 |
石田 成弘 参天製薬株式会社, 研究開発センター, 主任研究員
松本 幸裕 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (70276434)
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キーワード | アクアポリン5 / シェーグレン症候群 / ドライアイ / 膜輸送機構 / 涙腺 / C末結合タンパク質 / prolactin-inducible protein / major urinary protein-4 |
研究概要 |
1.シェーグレン症候群モデルマウスにおいて、アクアポリン5の腺房細胞内分布異常を引き起こすC末結合タンパク質の同定 我々は、シェーグレン症候群患者で見られるアクアポリン5(AQP5)の細胞内分布異常とそれによって引き起こされる機能異常が、AQP5C末に結合するタンパク質の質的変化に起因するのではないかと推測した。その点を明らかとするため、シェーグレン症候群モデル動物である雄性NOD/Shi Jciマウス(NOD)および正常モデル動物雄性Jcl : ICRマウス(ICR)を用いて、AQP5C末に結合するタンパク質を比較解析した。人工合成したAQP5C末端ペプチドをカラムに固定化し、目的のペプチドと強い親和性を有するタンパク質をNODおよびICRマウス涙腺組織全タンパクからスクリーニングした。結果、AQP5C末端部位と強い親和性を有するタンパク質として、ICRからは17kDa、NODからは21kDaとそれぞれ分子量の異なるタンパク質が得られた。このAQP5と結合するタンパク質の違いが、シェーグレン症候群モデルにおけるAQP5細胞内分布異常の原因であると推測し、これら2つのタンパク質を、LC-MS/MS解析により特定した。結果、ICRで得られた17kDaのタンパク質はprolactin-inducible protein(PIP)であり、N0Dから得られたタンパク質はmajor urinary protein-4(MUP4)であることが判明した。以上の結果より、下記のことが示唆された。正常なマウスでは、AQP5はC末端側においてPIPと結合することで、細胞膜上に正常に分布し機能を維持している。しかし、シェーグレン症候群モデルマウスでは、AQP5はPIPではなく主にMUP4と結合するため正常な細胞膜への移行が妨げられ、機能不全を引き起こす可能性が考えられた。
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