研究課題/領域番号 |
13139201
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷 あきら 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40183082)
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研究分担者 |
望月 伸悦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60280939)
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キーワード | 光応答 / シグナル伝達 / フォトトロピン / クラミドモナス / シロイヌナズナ / 青白光応答 / 突然変異体 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
フォトトロピン(phot)は、青色光受容体として働く色素質であり、光屈性、葉緑体定位運動、気孔の開口などの植物にとって重要な光応答反応の受容体として働いている。植物にはこの他にフィトクロムとクリプトクロムが主要な光受容体として知られているが、photはこれらの光受容体と構造上まったく異なっており、独特の方法でシグナル伝達を行っていると考えられる。本研究では、単細胞性緑藻類に属し、モデル植物と位置づけられるクラミドモナスを用いて、分子生物学的、分子遺伝学的手法により、photのシグナル伝達機構の解明をめざす。 本年度は、我々が見いだしたクラミドモナスphotについて、系統的に離れた高等植物でも生理機能を示すかどうかを、シロイヌナズナのphot欠損株に遺伝子導入して調べた。得られた形質転換植物を解析した結果、クラミドモナスphotタンパク質を高レベルで発現している株では、光屈性、葉緑体定位運動、気孔の開口のすべてが回復していた。このことから、系統的に大きくていてもphotの一次的な作用機構は非常によく保存されていることが示唆された。また、蛋白間相互作用を調べるための酵母cytotrap系を応用して、photタンパク質の膜移行活性を簡便に調べる系を開発した。この系を用いてphotタンパク質に様々な変異を導入したものを調べた結果、そのC末端側に膜移行ドメインが存在することを示唆する結果を得た。現在、このドメインの機能を植物細胞で調べている。
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