研究課題/領域番号 |
13139202
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島崎 研一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00124347)
|
研究分担者 |
木下 俊則 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50271101)
土井 道生 九州大学, 大学教育センター, 助手 (00167537)
|
キーワード | 気孔 / 青色光効果 / 光情報伝達 / プロトンポンプ / 青色光受容体 |
研究概要 |
分子遺伝学的、また、生化学的研究により、細胞膜H^+-ATPaseのリン酸化の上流にフォトトロピンが機能することが明らかになった。そこで、本研究では特にフォトトロピンがリン酸化されたのちに起きる出来事に注目して研究を進めた。 その結果、以下の事が明らかになった。 1)フォトトロピンがリン酸化されると14-3-3タンパク質と結合する。 オーバーレイアッセイを行っていたところ、細胞膜H^+-ATPaseの94kDaの分子量の上の125kDa付近に14-3-3タンパク質が結合する事を見出した。この物質は青色光に依存して14-3-3タンパク質が結合すること、分子量が125kDaである事から、フォトトロピンであると考えられた。そこで、抗体との反応により、この物質はフォトトロピンである事を特定した。 2)この14-3-3タンパク質との結合は青色光依存性である事、また、孔辺細胞にあらかじめプロテインキナーゼの阻害剤を添加しておくと起こらない事から、リン酸化依存であった。 3)次に、通常、リン酸化に依存した14-3-3タンパク質の結合が、ある特定のアミノ酸配列を有するモチーフを必要とする事からそのモチーフを探した。しかし、典型的なものはフォトトロピン中には存在しなかった。 4)しかし、動物細胞まで枠を広げるとより単純な配列なものが存在し、それらを探索すると2つ存在するLOV1とLOV2ドメインの間に存在していた。次に、フォトトロピンを大腸菌に発現させ、上記の候補のセリンをアラニンに置き換えたところ、vfphotlaではSer358,vfphotlbではSer344を置き換えた時だけ、14-3-3タンパク質が結合しなくなった。この結果は、この部位がリン酸化部位の一つであり、14-3-3の結合部位である事を示している。
|