研究課題/領域番号 |
13139202
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
島崎 研一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00124347)
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研究分担者 |
木下 俊則 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50271101)
土井 道生 九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助手 (00167537)
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キーワード | 気孔 / 青色光効果 / 光情報伝達 / プロトンポンプ / 青色光受容体 |
研究概要 |
昨年度のソラマメ孔辺細胞を用いた研究により、14-3-3タンパク質がフォトトロピンにリン酸化に依存して結合する事を見出した。本年度は、この14-3-3タンパク質の結合の生理学的意味を調べるために、遺伝的操作が容易なシロイヌナズナを用いて研究を継続した。 1)シロイヌナズナ芽生えのフォトトロピンへの14-3-3の結合を調べると、青色光照射後1分目には最大に達し、10分目には結合からはずれた。 2)同様な結合は孔辺細胞、葉肉細胞、葉でも観察された。 3)興味深い事に、phot2には全く結合しなかった。この時、phot2は確かにリン酸化される事を確認した。従って、14-3-3の結合はphot1に特異的である。 4)次に、この結合が細胞内で起こる事を確認するため、14-3-3タンパク質の抗体を用いて免疫沈降を行うと、青色光に依存してphot1が結合した。 5)このphot1を断片化して大腸菌に発現させ、それを、PKAでリン酸化させる事により、14-3-3の結合部位の特定を試みた。その結果、ソラマメに見られたのと同じく、LOV1とLOV2ドメインのあいだの376番目のセリンである事が特定された。 6)次に、この生理学的意味を調べるため、この部位を変異させた変異体を作成し、現在成育中である。 7)その他に、気孔の青色光反応がシダに見られないがイチョウでは見られる事、フォトトロピンと細胞膜H^+-ATPaseのあいだの情報伝達にプロテインフォスファターゼが関与する事を証明しつつある。 8)さらに、フォトトロピン-GFPを形質転換したシロイヌナズナに変異源処理を行うと、フォトトロピンの発現部位が野生株では細胞の上端と下端に来るのに、変異体では細胞の周りに均一に分布した。この変異株では、青色光に対する光屈性が起こらなくなっており、光屈性にはフォトトロピンの発現部位が重要である事を示した。
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