研究課題/領域番号 |
13141201
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 一三 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30126057)
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研究分担者 |
半田 直史 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 産学官連携研究員 (00396855)
板谷 光泰 三菱化学生命科学研究所, 主任研究員 (60374013)
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キーワード | ゲノム / ゲノム・ダイナミックス / 細菌ゲノム / 制限酵素 / ゲノム工学 / ゲノム再編 / ゲノム進化 / 比較ゲノム |
研究概要 |
小林・半田 <A.制限酵素修飾酵素遺伝子の制御>制限酵素修飾酵素を抗体で検出して、両酵素の生体内での安定性の差が、制限修飾遺伝子による喪失後のホスト殺しに寄与しているかを調べた。EcoRIについて、制限酵素と修飾酵素の細胞内での安定性に大差が無いことを、ウエスタンブロットとパルスチェイス実験で示した。しかし遺伝子対喪失後の減少については、制限酵素より修飾酵素の方が速かった。 EcoRIIについても、ホスト攻撃に関与する修飾酵素変異体の解析を開始した。 枯草菌染色体上のBamHI制限酵素修飾酵素遺伝子(RM)に増幅レポーター遺伝子GFPを連結した。 <B.制限酵素のゲノム攻撃と帰結>ゲノム再編とりわけ、制限修飾遺伝子の転移を検討し、「利己的転移」モデルの実験による証明を試みた。制限修飾遺伝子の攻撃によってドライブされるファージDNAの組換え修復を証明した。 <C.ゲノム比較と制限酵素修飾酵素>近縁の細菌ゲノム配列を比較し、ゲノム再編の痕跡を探索し、その機構を解析した。Neisseriaについては、新しいファージを発見し、それが自己の持つRNaseH/レトロウィルスインテグラーゼ型の組み込み酵素によってゲノムに組み込まれる証拠を得た。さらに、一見複雑なゲノム再編が、少数のステップで説明できる事を示した。黄色ブドウ球菌7株の比較を行い、病原性アイランドにあるI型制限酵素遺伝子の進化機構を推定した。Pyrococcusのゲノム比較に基づいて修飾酵素を予測し、それを発現精製し、性状を解析した。 <D.RecBCD酵素の反応機構>RecBCD酵素がゲノムのID配列を認識する機構を解析するために、変異体を作成した。 板谷 左右対称性の異なるラン藻ゲノムのメガクローニングニング9株について、成長速度を調べた。成長速度の減衰の程度は左右対称性より、ゲノムサイズの増大に依存することが示唆された。
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