研究課題
DNAに損傷を受けたり複製の阻害によって二重鎖切断が起きた時には、相同的組み換えに依る正確な修復が重要である。本研究では組換えの中間体であるHolliday構造の形成と解離の反応機構を詳細に解析した。更に真核生物での組換え修復に関与する新規遺伝子の機能解析を行った。大腸菌RecQヘリケースはヒトにおいて老化やがん化を防ぐWernerおよびBloomヘリケースのプロトタイプである。RecQヘリケースの働く基質特異性を調べて、複製フォークに作用してHolliday構造の形成を防ぐ働きをもつことと、SOSシグナリングに関与することを明らかにした。大腸菌のRuvタンパク質6量体はHollidayジャンクションの移動をATP水解のエネルギーを利用して行う働きをもつ。RuvBタンパク質で高度に保存されている174番目のArgが6量体の中で隣のサブユニットのATPaseのモチーフと共同で、ATPaseの触媒中心を形成することを明らかにした。私達が発見した生存に必須で組換え修復に関与する分裂酵母のrad62遺伝子を解析した結果、Rad62タンパク質はSMC5/6(Structural Maintenance of Chromosome)複合体のnon-SMCサブユニットの1つであることを明らかにした。超好熱古細菌から複製や組換え中間体となる特殊な構造に特異的に働く酵素を探索した。Hefタンパク質は複製フォークと働くDNAヘリケースとDNAエンドヌクレアーゼの2つの機能をもつことを明らかにした。Hjmタンパク質は複製フォークに働くDNAヘリケースであることを証明した。
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