研究課題/領域番号 |
13141205
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
堀内 嵩 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (60108644)
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研究分担者 |
篠原 彰 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00252578)
小林 武彦 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40270475)
定塚 勝樹 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40291893)
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キーワード | 出芽酵母 / 複製フォーク阻害 / 遺伝子増幅 / サイレンシング / リボゾームRNA遺伝子 / Fob1タンパク質 / 組み換え |
研究概要 |
真核生物のリボゾームRNA遺伝子(rDNA)は典型的な繰り返し遺伝子の一つである。出芽酵母では約150コピーのrDNAが、染色体XII上の特定領域に集中している。我々はこれまで不明であったこのコピー数の増減の原因が、各コピーに存在する複製フォーク阻害部位(RFB)で起こるフォーク阻害であることを見いだしてきた。つまり、フォーク阻害が起こらない変異(fob1)株では、rDNA領域内の組み換えが起こらず、コピー数の増減がほぼ完全に抑制される。 一方Sir2はサイレンシングに必至なタンパク質で、rDNA領域では組み換えを抑制していることが知られている。そのためsir2欠損株ではrDNA領域の組み換えは活性化され、コピー数の変動が野生株に比べて著しい。その機構を調べた。Sir2によって活性化される組み換えはFob1に依存していた。次に、sir2変異によって活性化されるのは、FOB1依存の組み換えのどの過程かを調べた。その結果、RFBにおけるフォーク阻害やそこで起こる2本鎖DNAの切断過程が活性化されるのではなく、フォークが阻害された時、姉妹染色体同士のを連結するコヘーシンの働きが弱まることが明かとなった。このことは、Sir2タンパクが存在すると、阻害を受けた複製フォークのいずれの姉妹染色体が切断されても、姉妹染色体同士をコヘーシンが結びつけるため、コピーのずれた組み換えが起こり難いが、Sir2タンパクが欠けると姉妹染色体同士が自由になるため、ずれたコピー間の対合が容易になり、その結果コピー数の変動が激しくなると思われる。
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