研究課題/領域番号 |
13142201
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
嘉屋 俊二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90186023)
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研究分担者 |
谷口 和弥 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40028204)
林 雄太郎 杏林大学, 医学部, 教授 (10086556)
鈴木 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (50183421)
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キーワード | ナトリウムポンプ / 蛍光プローブ / 1分子観察 |
研究概要 |
平成13年度の研究実績 ナトリウムポンプの1分子可視化と分子集合の解析 ナトリウムポンプ標品の分子集合状態を明らかにするため、エバネッセント光で蛍光標識したポンプ分子の可視化条件を検討した。 FITC(フルオレセインイソチオシアン酸)によってポンプ分子の触媒サブユニットのATP結合部位に存在するリシン残基にほぼ100%化学修飾を施した。修飾ポンプ標品をC12E8にて可溶化後、高性能ゲルろ過にてポンプ分子を分子量的に分離し、単量体、2量体及び多量体画分を精製した。それぞれの画分を超低背景蛍光顕微鏡にて観察し、消光過程を経時的モニターし、解析した。 その結果、 1.FITC標識した酵素分子の濃度に依存して発光スポットの増加が観察された。また、1分子あたりの標識量を低下させた標品では発光スポットの減少が確認された。 2.スポットの初期強度は高分子量画分ほど高く、また発光スポットの蛍光消光の時間経過から初期輝度の高いスポットは段階的な(量子的)消光をすることが明らかになった。 3.初期強度の分布の解析から、可溶化ナトリウムポンプにおいても単量体から多量体(主に2量体と4量体)構造が保持されていることが確認された。 4.分子量分画を行ったポンプ標品はそれ自体解離会合を行い、2量体と4量体の間での平衡が存在する可能性が示唆された。 以上のことからナトリウムポンプにおいて、可溶化状態で分子観察が可能であることが明らかにされた。一方、ポンプ分子の集合体の多重度を詳細に解析するには、観察条件における消光の速度が極めて速く、測定条件の最適化(励起光強度等)が必要であることが明らかになった。
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