研究課題/領域番号 |
13142204
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)微生物化学研究会 (2004-2005) 大阪大学 (2001-2003) |
研究代表者 |
二井 將光 (財)微生物化学研究会, 微生物化学研究センター・二井特別研究室, 特別研究員 (50012646)
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研究分担者 |
孫 戈虹 同志社女子大学, 薬学部, 助教授 (00314427)
高澤 伸 東北大学, 医科学系研究科, 助教授 (50187944)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2005
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キーワード | ATP / F-ATPase / V-ATPase / リソソーム / ナノマシーン / ナノモーター |
研究概要 |
研究代表者らは生物ナノモーターであるプロトンポンプF-ATPaseとV-ATPaseに注目して研究を進めた。F-ATPaseはエネルギー通貨であるATPを合成しており、V-ATPaseはATPの加水分解との共役によってプロトンを輸送し、リソソーム、エンドソーム等のオルガネラの内腔を酸性にしている。いずれも反応に伴ってサブユニットの回転するナノモーターである。本研究ではF-ATPaseが膜内在という本来の局在場所でナノモーターとして作動していること、プロトン輸送路との共役が回転に必要であること、またV-ATPaseも同様の回転機構によってプロトンを輸送していることを解明した。さらに、金粒子をF-ATPaseに結合させ、ミリ秒時間分解能で解析すると、回転に確率的な揺らぎがあることが明らかになった。さらに、βサブユニットに変異を導入し、回転と揺らぎの機構を解析した。 タンパク分子のレベルからの研究と同時にナノモーターの生理学/細胞生物学的な研究を進めた。成果として、膵臓のβ細胞からインスリンが分泌する為には分泌顆粒の内部がV-ATPaseによって酸性pHとなることが必須であること、近位尿細管の表層細胞ではV-ATPaseがエンドサイトーシスに関与していること、破骨細胞形質膜のV-ATPaseはリソソームが融合することにより局在化することをを示し、マウスのV-ATPaseを発生時期と組織に特異的に欠失させる為に新しい手法を確立した。
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