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2004 年度 実績報告書

Na^+/H^+アンチポーターの構造・作動機構と制御の生物多様性と統一性

研究課題

研究課題/領域番号 13142207
研究機関大阪大学

研究代表者

金澤 浩  大阪大学, 理学研究科, 教授 (50116448)

研究分担者 福山 恵一  大阪大学, 理学研究科, 教授 (80032283)
中村 徳弘  大阪大学, 理学研究科, 助手 (90324748)
三井 慶治  大阪大学, 理学研究科, 助手 (60379279)
キーワード細胞の塩環境適応 / Na^+ / H^+交換輸送蛋白質 / 遺伝子解析 / イオン輸送の分子機構 / 能動透過系のエネルギー共役 / 遺伝子工学 / FRET解析 / Cys走査変異解析
研究概要

あらゆる生物においてNa^+は細胞内部では低く保たれ、細胞外では高く、一定に保たれている。その調節は,細胞膜や細胞内小胞などの生体膜に存在するNa^+イオン輸送性の膜蛋白質によって行われている。この細胞の内外のNa^+勾配は、Na^+がエネルギーイオンとして使われていることと呼応している。本研究では、Na^+/H^+交換輸送蛋白質(NhaA, Nha1p, NHEと省略)の構造と機能、制御について分子レベルで研究を行った。本年度の成果として、真正細菌に広く存在する交換輸送蛋白質NhaAについてイオン輸送に関わる膜中ドメイン(TM)4,5,10,11について、それぞれを構成するアミノ残基をシステインに置換し、機能の変換およびNEMの結合を指標にそれぞれの残基の機能と空間配置を考察した。この結果、NhaAの中に水で満たされたchannel構造が4つのTMで形成されること、またイオン結合に関与する残基の配置が推定できた。さらにNhaAのカルボキシ末端に蛍光蛋白GFPの誘導体を結合し、細胞膜内でNhaAが2量体を形成していること、2量体の形成サブユニットはイオン輸送においてLi^+の結合にともなって相互の位置関係の変化(構造変化)をすることを明らかにした。酵母のNha1pのイオン輸送活性を直接測定する実験系を酵母内の輸送膜小胞にNha1pを蓄積させることによって実現した。その結果、Nha1pは一価のメタル陽イオン全般について輸送能を有すること、またそのイオンに対する見かけの親和性は低いことが明らかになった。Nha1pは、2量体を形成すること、2量体は粗面小胞体ですでに形成されていることも明らかになった。Nha1pに結合し耐塩力の増強に関与する新規因子(Cos3P)については、アイソフォームの遺伝子を欠失させ、それらの機能の解析を行った。ヒトの細胞に存在する4つのNHEについては、細胞内の異なる小胞に存在し、小胞内のpH制御に関わることを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Four Na^+/H^+ exchanger isoforms are distributed to Golgi and post-Golgi compartments and are involved in organelle pH regulation.2005

    • 著者名/発表者名
      Norihiro Nakamura
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 280

      ページ: 1561-1572

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Characterization of the ion transport activity of budding yeast Na^+/H^+ antiporter, Nha1p on the secretory vesicles2005

    • 著者名/発表者名
      Ryuichi Ohgaki
    • 雑誌名

      Biochem, Biophys.Act-Biomembrane (In press)

  • [雑誌論文] A conserved domain in the tail region of the Saccharomyces cerevisiae Na^+/H^+ antiporter (Nha1p) plays important roles in localization and salinity- resistant cell-growth2004

    • 著者名/発表者名
      Keiji Mitsui
    • 雑誌名

      J.Biochem. 135

      ページ: 139-148

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] A novel membrane protein capable of binding the Na^+/H^+ antiporter (Nha1p) enhances the salinity-resistant cell growth of Saccharomyces cerevisiae2004

    • 著者名/発表者名
      Keiji Mitsui
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 12438-12447

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The Fourth Transmembrane Segment of Helicobacter pylori Na^+/H^+ Antiporter NhaA Faces a Water-filled Channel Required for Ion Transport2004

    • 著者名/発表者名
      Naoyuki Kuwabara
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 40567-40575

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] A novel kinesin-like protein, KIF1Bb3, is involved in the movement of lysosomes to the cell2004

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Matsushita
    • 雑誌名

      traffic 5.1

      ページ: 140-151

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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