研究課題/領域番号 |
13143101
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川畑 俊一郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90183037)
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研究分担者 |
藤田 禎三 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (20134223)
倉田 祥一朗 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90221944)
落合 正則 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10241382)
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キーワード | 自然免疫 / 補体レクチン / プロテアーゼ / シグナル伝達 |
研究概要 |
総括班会議と公開シンポジウムを福島県立医科大学で開催した(平成16年9月24日)。これまでにカブトガニのLPS認識タンパク質であるファクターCが、顆粒細胞表面にも存在することを明らかにし、LPS応答が、3量体Gタンパク質の阻害剤により顕著に阻害されることも見いだした。現在、ファクターCとGタンパク質共役型受容体の相互作用についてリコンビナントタンパク質を用いて解明している。また、ファクターCを昆虫細胞で発現させて結晶化を行っている。節足動物における外骨格形成の分子機構を解明する目的で、カブトガニ外骨格からキチン結合タンパク質を網羅的に精製した。すべてのキチン結合タンパク質のアミノ酸配列を明確にすべく、アミノ酸配列分析とcDNAクローニングを進めた結果、15種類のキチン結合タンパク質の配列分析が完了した。カブトガニのキチン結合性抗菌タンパク質ビッグディフェンシンは、N端とC端でグラム陰性、グラム陽性細菌に対して別々の活性を示す。この興味深い構造をNMRにより明らかにした。哺乳類の生体防御レクチンの遺伝子改変マウスによる解析を行った。また、藤田班のグルコースのみを認識するマボヤMBL様レクチンのX線結晶構造解析を川畑班との共同で実施し、異物認識の分子基盤の解明を進めた。倉田班は、新たなパターン認識受容体としてPGRP-LEを同定した。同じファミリーに属するPGRP-SAとPGRP-LCもまた異なる分子パターンを認識する受容体であることが、複数の研究グループから同時に発表された。落合班が見い出したPGRPはこれまでその同定が待ち望まれていたパターン認識受容体ファミリーであることから、世界的な競争が繰り広げられている。PGRPのパターン認識の分子機構とその後のシグナル伝達機構の解明が、今後も重要な研究課題である。
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