本研究はヒトおよびニワトリのM期染色体の染色体蛋白質の同定を目的として、ソーティングしたヒトおよびニワトリの染色体蛋白質を2D-PAGEで解析して、以下のような成果を得た。 1、M期同調のためのノコダゾール処理の至適条件をヒトGM130B細胞およびニワトリDT40細胞に合わせて設定した。ニワトリは多くのミクロ染色体を有するため、これら全てを有効に分画することにまだ成功していない。 2、特定染色体の蛋白質に関しては、ヒトの第9-12、18、21番染色体およびニワトリのミクロ染色体などを解析した。 3、染色体蛋白質の2D-PAGE泳動パターンはヒトおよびニワトリの全蛋白質の泳動パターンとは明らかに異なっていた。 4、メジャー蛋白質の多くは種および染色体の種類を問わず共通に存在した。 5、ヒトに存在し、ニワトリに存在しない種特異的な蛋白質が存在した。特定染色体に特有な蛋白質が存在した。 6、比較的量の多い10個のヒト染色体蛋白質のアミノ酸配列決定を、気相シーケンサで直接およびBrCN分解後、試みたが決定できなかった。
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