研究概要 |
(1)RXRアンタゴニストHX531が、RXR/PPARγの抑制を介して高脂肪食下での肥満や糖尿病発症を抑制し糖尿病の根本的治療薬として成り立つことを明らかにした(J. Biol. Chem.276:41245-41254,2001)。(2)罹患同胞対法により、染色体1番、2番、3番、6番、7番、9番、11番、15番、20番上に2型糖尿病との連鎖の可能性がある領域を認めた(Diabetes, in press,2002)。(3)寒冷刺激による熱産生や肝臓で糖新生に重要な役割を担っているPGC-1(peroxisome proliferator-activated receptor-γ coactivator-1)のGly482Ser多型がインスリン抵抗性と相関し、2型糖尿病感受性遺伝子であることを明らかにした(Diabetologia, in press,2002)。(4)脂肪細胞特異的分泌蛋白であるアディポネクチンのSNP276G/G遺伝子型保持者は、T/T型保持者に比して血清アディポネクチン値が低値で、インスリン抵抗性指標が高値で2型糖尿病のリスクの上昇を認め、日本人2型糖尿病感受性遺伝子であることを明らかにした(Diabotes 51:536-540,2002)。(5)アディポネクチンの補充が新規抗インスリン抵抗性改善薬となることを動物実験で明らかにした(Nature Medicine 7:941-946,2001)。(6)転写因子の共通の転写共役因子であるCBP(cAMP response element binding Protein (CREB) binding protein)のヘテロ欠損マウスは、高脂肪食下での脂肪細胞の肥大化やインスリン抵抗性の惹起の抑制がPPARγヘテロ欠損マウスに比しても顕著で、脂肪細胞の肥大化にはPPARγ依存性経路とPPARγ非依存性経路があることを明らかにした(Nature genetics 30:221-226,2002)。
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