研究概要 |
本研究の目的は、ヒトの血圧調節機構の分子メカニズムにおけるナトリウム利尿ペプチド系の寄与について検討することであった。正常血圧と高血圧の受診者からinformed consentを得た上で血液を採取、白血球からゲノムを抽出して、GC-A遺伝子のシークエンス解析を行った。正常血圧群180名、高血圧群189名を解析した。血圧の平均値は正常群では124/74、高血圧群では162/93であった。まずPCR direct sequence法を用いてGC-Aの遺伝子多型を検索した。GC-A遺伝子は、ヒトでは第一染色体長腕約16kbのゲノム領域をスパンする22のexonと21のintronより構成されているが、今回の検討で5種類の遺伝子多型を見いだした。その中でGC-A 5'隣接領域-300bpに存在するCT繰り返し配列の多型に注目してさらに検討を進めた。この部分に関しては日本大学の中山らから、CTの繰り返し回数に10,11,12の多型があるが正常血圧群と高血圧群の間でアリル頻度に差を認めない、という報告がある。しかし、今回の我々の検討では新たな知見、すなわちCT繰り返し回数に6回の多型があることが判明した。アリル頻度について現在解析を施行中であるが、このCT6のアリル頻度が高血圧群において正常血圧群よりも高いという結果が得られつつある。一方10,11,12回の繰り返しに関してはそれらの間に血圧との関連は認めず、この点に関しては中山らの●
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