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2001 年度 実績報告書

ヒト21番染色体を保持するダウン症候群モデルマウスの作出とその原因遺伝子同定

研究課題

研究課題/領域番号 13204060
研究機関鳥取大学

研究代表者

押村 光雄  鳥取大学, 医学部, 教授 (20111619)

研究分担者 目黒 牧子  鳥取大学, 医学部, 教務職員 (20304222)
白吉 安昭  鳥取大学, 医学部, 助教授 (90249946)
キーワードミオシン蛋白質 / ダウン症候群 / モデルマウス / 染色体導入 / 遺伝子量効果 / ヒト21番染色体
研究概要

ダウン症の症状と遺伝子との対応を明らかにする目的で,これまでにヒト21番染色体(hChr.21)を高率に保持するキメラマウスを作出し、心奇形などのダウン症類似の表現型を観察した。今年度はその表現型の原因となる遺伝子発現の差を網羅的に解析するため、心筋および脳(海馬)におけるタンパク質発現の差を2次元電気泳動法により解析した。hChr21導入キメラマウスの心筋において心筋発生に重要なマウスタンパク質Myosin light chain 2a(mlc-2a)の顕著な発現低下が認められ、ヒトダウン症患者でも同様に発現の減少が確認された。mlc-2aのRNAレベルでの発現をRT-PCR法により解析したところhChr21導入キメラマウスと対照との間に差は見られなかった。このことからヒト21番染色体移入により、マウスmlc-2aの転写後の調節に異常をきたし、タンパク発現が減少することが示唆された。一方hChr21導入キメラマウスの海馬ではヒト21番染色体上に存在するヒトSOD1の発現が検出された。
また、マウス個体内でhChr.21を安定に維持し、子孫へ伝達する転座型ダウン症モデルマウスの作製を目標として、Cre/loxpシステムを利用した染色体改変を進めた。Down syndrome critical region(DCR、AML1からMx2までの5Mb)を含むヒト21番染色体断片をマウス10番染色体長腕末端に転座させた改変転座染色体をもつマウスES細胞の作製に成功した。少なくともES細胞中で転座させたヒト21番染色体領域を安定に保持することを確認できた。今後、このDCRを保持する転座型ES細胞を用いてキメラマウスを作製し、さらに子孫への伝播を確認していく。また、同様の手法を用いて様々な21番染色体領域を安定に保持するマウスを作製する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Shinohara, T., et al.: "Mice containing a human chromosome 21 model behavioral impairment and cardiac anomalies of Down syndrome"Hum. Mol. Genet.. 10. 1163-1175 (2001)

  • [文献書誌] Kazuki, Y., et al.: "Germline transmission of a transferred human chromosome 21 fragment in transchromosomal mice"J. Hum. Genet.. 46. 600-603 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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