研究課題/領域番号 |
13206011
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研究種目 |
特定領域研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒岩 常祥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50033353)
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研究分担者 |
田中 寛 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (60222113)
野崎 久義 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40250104)
佐藤 直樹 埼玉大学, 理学部, 教授 (40154075)
太田 にじ 埼玉大学, 理学部, 助手 (60257186)
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キーワード | Cyanidioschyzon merolae / ゲノム解析 / 始原的真核生物 / EST解析 / 極限環境生物 / オネガネラ起源 |
研究概要 |
Cyanidioschyzon merolae(以下シゾンとする)は、細胞の直径が僅か2ミクロン、約14メガ塩基対のゲノムを有し、高温(45℃)、高硫黄、強酸性(pH1.5)の温泉に生息する単細胞の紅藻で、最古の真核植物と考えられる。本研究の官的は、シゾンの細胞核のゲノム解析を行い、それを基盤にして真核植物の誕生、進化及び環境適応の機構の解明をすることである。 研究目的の達成のために、まず全てに優先させて、シゾンの細胞核のゲノム解析を行った。この解析はゲノム解析とEST解析に分けて行った。ゲノム解析は国立遺伝学研究所の小原研究室の助力でショットガン法で行い、30万リードを読み終えた。これを基本に整列し約800のコンティグを得た。このコンティグを総計すると16.4Mbpであった。これは当初パルスフィールド電気泳動法で得た値より、2Mbpほど多かった。これを各染色体にアサイメントを行った。ノルスフィールドで得た染色体数は17本であったが、ゲノム解析の結果から20本と推定された。各染色体にアサインされたコンティグは平均90%を越えた。現在これをBAC, PCRなどによってブリッジングしている。既に3番染色体は2コンティグとなった。またEST解析は東大医科研の菅野研究室の協力により、完全長のcDNAの50万クローンを得た。この3万5千クローンを遺伝研で読んだ。その結果、約5500の遺伝子が発現していることが明らかとなった。遺伝子の総数や種類に関しては、BLASTをかけたり、EST解析のデータを参考にしたり、更に遺伝子解析予測ソフトなどを用いて解析し、約6000遺伝子があることが分かった。更に詳しいカタログ化を進めている。現在、こうしたデータと既に得られている葉緑伝ゲノムどミトコンドリアゲノムの全塩基配列データを比較し、それぞれの班員がオルガネラの増殖、転写機構の進化などについて解析を進めている。
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