研究課題/領域番号 |
13206058
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
加藤 潤一 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (10194820)
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研究分担者 |
三木 健良 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (40037586)
片山 勉 九州大学, 薬学研究院, 教授 (70264059)
駒野 照弥 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00087131)
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キーワード | 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 細菌 |
研究概要 |
大腸菌をモデルとして、細胞性生物が増殖するために最低限必要な遺伝子群、染色体領域を全て同定し、それらの機能を明らかにすることを目指して解析を行っている。 <欠失変異による解析> (1)網羅的、系統的な染色体欠失変異株作製を進め、18個の新規必須遺伝子、機能未知必須遺伝子を同定した。これまでに染色体の約90%の領域をカバーする欠失変異群が作製できた。 (2)同定した18個の新規必須遺伝子、機能未知必須遺伝子について、高温感受性変異株を単離し、また染色体上の遺伝子についてgfp遺伝子を融合させ、遺伝子産物の細胞内局在性について調べた。さらに高温感受性変異株から抑圧変異株を単離して機能解析を進めた。 (3)一方セットとして最低限必須になる遺伝子群を同定するために、生育に必須ではない領域の欠失変異を組み合わせて最大で染色体のサイズを約30%小さくした染色体大規模欠失変異株を作製した。作製した菌株の性質を調べたところ、欠失領域が大きくなるにつれて生育速度が徐々に遅くなるものの、染色体複製開始調節については多くの細胞でそれほど大きな影響は受けていないことがことがわかった。しかし欠失を組み合わせることにより細胞の形態が変化し、さらに核様体の様子に大きな変化が見られた。野生株では調べることが難しい核様体の動態について、染色体を大規模に改変した菌株を用いることにより手がかりが得られるのではないかと期待される。 <トランスポゾン挿入変異による解析> トランスポゾン挿入変異株を、必須遺伝子についても単離できるようにシス二倍体を経て一倍体破壊株を作製する方法により網羅的に単離を進めている。この方法では塩基配列に基づいて予測された遺伝子とは無関係に変異株を単離できる点が特徴的である。これまでに配列より存在が推定されている遺伝子の約90%の変異株の分離、保存が終了した。
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